ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

スマートフォン表示用の情報をスキップ

よむとす No.377 世界は「ふしぎ」で満ちている

[2026年11月1日]

ID:1279

世界は「ふしぎ」で満ちている

中央図書館 寺沢 しのぶ

『たくさんのふしぎ』という小学生向けの科学雑誌をご存知ですか?図書館では毎月定期購入をしています。その内容は幅広く、人間の生活、歴史、文化から数学、哲学まで、世の中のあらゆる「ふしぎ」を、第一線で活躍されている研究者や専門家が小学生にもわかりやすく書かれています。小学生向けとは言いながら大人が読んでも十分読み応えのあるものです。私も「今月は何かな?」なんて楽しみにしています。今回は、その月刊誌とそこからハードカバーになった「たくさんのふしぎ傑作集」の中で、私が読んで「面白い!!」と思った本をご紹介したいと思います。

『ブラックホールってなんだろう?』

小学生の息子に「ブラックホールってなに?」と聞かれた時、私は昔読んだマンガにでてきた何でも吸い込んでしまう宇宙空間に空いた穴のイメージしか思い浮かばず、すぐに答えることができませんでした。そこで図書館で何かいい本はないかと理科コーナーで探していて、この本に出会いました。果てしなく広く大きな宇宙のことを考えると気が遠くなってしまう、文系の私に理解できるだろうか不安もありましたが、そこはさすが『たくさんのふしぎ』です。この私にもなんとかブラックホールについて理解することができました。
最初のマンガのイメージもあながち間違ってはいないということもわかりました。大きく違っていた点といえばホール=穴ではなく、非常に重力が強い天体でその中心の「特異点」という場所が光までも吸い込んでしまうということがわかりました。この「特異点」はまだ現代の物理学では解明できない部分も多く、吸い込まれたものはどこにいくのかはわかっていないそうです。宇宙の神秘にまた少し気が遠くなりかけました。
肝心の息子には上手く説明する自信がなかったので自分で読んでもらいました。

『世界の納豆をめぐる探検』

『世界の納豆をめぐる探検』(たくさんのふしぎ傑作集)(別ウインドウで開く)
高野 秀行/文・写真 スケラッコ/絵 福音館書店 2024年10月

納豆って日本だけの食べ物じゃないって知っていました?以前、韓国通の友人に韓国にも似たような食べ物があるとは聞いていましたが、この本によれば遠いアフリカでも、形状は異なりますが、各地域で納豆が食べられていることがわかり、とても驚きました。そしてなによりアフリカでは原料が豆ではなくバオバブという大木の種で作るものまでありました。これはもはや納豆ではないのでは?と思いましたが、納豆菌発酵させているのでこれも立派な納豆といえるでしょう。また、食べ方にもそれぞれのお国柄がでており、汁に入れたり、魚と一緒に炒めたり、和えたり、蒸したりさまざまです。読んでいるうちに口の中が唾液でいっぱいになり無性に納豆が食べたくなります。
その後、館長から「この本のもとになった『謎のアジア納豆』(別ウインドウで開く)『幻のアフリカ納豆を追え!』(別ウインドウで開く)も面白いよ。」とすすめられました。今度はこちらを読みたいと思います。

『名前のチカラ』

『名前のチカラ』(月刊 たくさんのふしぎ 第453号)(別ウインドウで開く)
クリハラ タカシ/文・絵 三土 たつお/ゲスト講師 福音館書店 2022年12月

世の中に存在するすべてのものには、名前があります。その名前は人間が作ったものという事実に気づけたのはこの本のおかげです。名前というものを意識すると、いろいろな事が見えてきます。例えば、昔のクレヨン、色鉛筆の中に「はだいろ」という名前の色が存在していたのですが、(今は「うすだいだい」や「ペールオレンジ」に変わっています。)それは、世の中にはさまざまな肌の色の人がいるのに当時の日本ではこれが「肌色」という狭い認識でつけられた名前だったということ。名前はそれをつけた人がどんな物の見方、考え方をしているのかまで表現されてしまうことにハッとさせられました。ここまで読むとちょっと難しい本のように思われるかもしれませんが、全編マンガ仕立てになっていて、サラーっと読めちゃいます。
 
まだまだ紹介したい本がたくさんあります。「たくさんのふしぎ」のシリーズは、内容によってそれぞれの分類の棚にあるので、興味がある方は偶然の出会いをもとめてぜひ児童書コーナーへ行ってみてください。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。