鼎図書館 玉置 郁子
夏。図書館の風景が変わります。朝から宿題を持ってやって来る小学生。一緒に調べものをする親子。普段なら小説など大人の本をめいっぱい借りていく方が絵本を混ぜて借りて行かれることも。「孫が来るもんで、うるさくてかなわんのな。」と言いながらもその表情は、優しく嬉しそうに見えます。家族って良いものだな、と感じる季節です。
皆さんはご自身のルーツを気にしたことがありますか。私はあまり気にしてこなかったのですが、ここ何年か、いろいろなことで戸籍に関する手続きや書類が必要になり、言われるがままに用意だけすることがありました。ある時、戸籍に関する物の種類や違いをきちんと知る機会があり、少し興味を持った時にこの本を手にしました。
戸籍の取り寄せ方、資料の読み解き方、現地調査のコツまで分かりやすく書かれています。また、くずし字読み取りアプリなどのさまざまなハイテク機器の使用や、国立国会図書館デジタルコレクションの利用なども必須アイテムになってきているのだそうです。ただ、それでも、最も簡単な先祖調査は、親、兄弟、親族に対して、先祖に関する事柄をできるだけ多くヒアリングすることで、話しているうちに思い出すこともあり、そういう場で重要な話やヒントが出てくることが多いそうです。著者は本書の中で、「先祖探しで得られるものは何か?」という問いには「究極の自分探しだ」と答える、と述べています。
先祖はどういう人であれ、そして難しいことは抜きにしても、この本が、楽しく家族が集まって、ドキドキ、ワクワク、そのルーツを語り合えるきっかけになれば良いと思いました。
絵本作家の林明子さんがお亡くなりになったニュースを聞いて、大好きなこの絵本を手に取りました。
この絵本は、朝、学校に行くまみこが、おかあさんにナゾの言葉を残して出かけるところからおはなしが始まります。まみこに言われた通りにすると、おかあさんは赤いひもで結ばれた手紙を見つけます。そこから、ナゾときが始まっていくのですが、それは同時に宝探しの時間のようにも感じられます。まみこの手紙をたどっていく中で、おかあさんがまみこの一番好きな本や、その中の好きなページを知っていたり、ピアノの前では、まみこの好きな「キラキラぼし」を弾いたりするところに、おかあさんのまみこに対する愛情を感じます。また、夕方帰ってきたおとうさんと3人で、まみこの素敵な贈り物を見ながら1日の出来事を話す家族の会話からも、家族を思いやる、優しくあたたかい気持ちが伝わってきます。
林明子さんの描く、明るくやわらかい色調と表情がそのことをより鮮明に伝えてくれているようにも思います。
そんな林明子さんが亡くなられたのはとても残念ですが、心温まる、たくさんの作品はこれからも残っていきます。ぜひ図書館で手に取ってみてください。
「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。
飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。