ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

スマートフォン表示用の情報をスキップ

よむとす No.370 癒しの存在

[2026年7月15日]

ID:1255

癒しの存在

中央図書館 田口 結衣

みなさんは動物が好きですか?犬を飼っていらっしゃる方も多いと思います。実は知らなかった犬の行動の意味、クスっと笑えるエピソードなどが載っている愛犬にまつわる本を紹介したいと思います。

『なぜ犬は全力で私を愛してくれるのか』

「犬はなぜこんなにも人を愛してくれるのだろう?」そんな飼い主の疑問を、科学の視点から優しく解き明かしてくれる一冊です。
なぜ飼い主を目で追うのか、なぜ帰宅すると全力で喜ぶのか、なぜ泣いていると寄り添ってくれるのか。この本ではそれらの「なぜ」を行動学や脳科学、最新研究をもとに“犬の愛情表現”の理由ついてわかりやすくまとめてくれています。たとえば犬は尻尾を振ることで感情表現をします。喜んでいる時だけでなく、不安や恐怖を感じている時も特徴のある尻尾の振り方をするそうです。私の飼い犬も帰宅した時や散歩に行く時、尻尾を高い位置で激しく振って嬉しそうにしたり、散歩で知らない道に行くと不安そうに尻尾をゆっくり振ったりしていました。今まではわからなかった犬の気持ちを、犬の行動から理解することで、接し方が分かってくることもたくさんあると思います。犬を飼っている方にはもちろん、これから迎えたい方にもおすすめです。

『ちゃっけがいる移動図書館』

『ちゃっけがいる移動図書館』(別ウインドウで開く)
高森 美由紀/著 中央公論新社 2024年8月

小さな移動図書館で町を巡る主人公と、そこで出会う人々とのエピソードを丁寧に描いた物語です。悩みや孤独を抱えながら生きる人たちが、本と出会い、少しずつ前を向いていく姿が優しい筆致で綴られています。登場するのは、家族との距離に悩む人、居場所を失った人、大切な存在を想う人など。どこか不器用で、でも懸命に毎日を生きている人ばかりです。
物語の中には犬のちゃっけとの暮らしも自然に描かれており、散歩や静かな時間の温かさに、胸がじんわりと満たされます。ちゃっけの愛らしい姿が人々の心をそっとほぐし、笑顔や会話を生み出してくれます。人と人との思いやりの大切さを感じられる一冊です。

『ハリー、大きな幸せ』

『ハリー、大きな幸せ』(別ウインドウで開く)
村井 理子/著 亜紀書房 2021年9月

大きな黒い犬・ハリーと家族が過ごす日常の何気ないお話です。ハリーには自分のいつも寝ているソファがありました。来客者がそのソファに座ると吠えたり怒ったりするのではなく、隣にどかんと座りどいてと言わんばかりの表情や態度でアピールしますが来客者は気づいておらず、気づいているのは飼い主さんだけというエピソードがありました。私の飼い犬もどいてとは言わず、人が立ち上がった瞬間にソファを横取りすることがありました。犬を飼っている人にはその行動の意味がきっとよくわかることでしょう。他にもやんちゃなハリーの意外な行動や飼い主との掛け合いなど、クスっと笑えて心温まるエピソードが綴られています。
犬好きにはたまらない可愛さがある一方で、いつか訪れる別れをどこかで感じさせる切なさもあり、私は読んでいるうちに今そばにいる大切な存在をぎゅっと抱きしめたくなりました。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。