【上郷】 細田 道夫
今年、年長さんになる孫のホノちゃんは絵本が大好きです。我が家に来ると本棚から絵本を持ってソファーに座り絵本を読み始めます。
今年の連休が始まる5月初旬、ある新聞に「飯田線への思い童話に」とこの本が紹介されました。作者は高森町在住の北沢彰利さん(ペンネーム:いぶき彰吾)。信州児童文学会会長で元黒姫童話館館長でもいらっしゃいます。今までに何冊も童話や絵本を出されていますが、
『黒姫ものがたり』(別ウインドウで開く)など上郷のイラストレーター故北原志乃さんと組んで5冊の絵本を出されています。
私は飯田線の延伸や歴史などを地図や鳥瞰図でたどることが好きなものですから、すぐに買い求め孫の帰ってくるのを待ちました。
さて連休に帰ってきた孫を抱えて本を読み始めました。熱心に聞いてくれ、読みを間違えると直してくれました。
読み終わるのに25分くらいかかったでしょうか。
次の日です。突然に何の前触れもなく「ジッタ電車の本読んで」というのです。どうも妖怪が出たりしてハラハラドキドキの物語が楽しかったのではと思います。「よしよし」と本を読み始めました。大きな声小さな声ヒソヒソの声など使い分けて読むには随分くたびれました。それでも喜んで聞いてくれる孫に本を読めることは幸せなことです。
パパと、ここに出てくる駅は金野駅だろうか田本駅だろうかと話しました。実はどこでも良いのですがトンネルがいっぱいある、そして秘境駅がいっぱいある飯田線の物語。そんなことも考えながらお孫さんに読んであげたらいかがでしょう。そしてお休みに絵本を持って飯田線に乗ってみてはいかがでしょうか。
※パパは泰阜村出身でその祖父や父母は泰阜村に暮らしています。パパは仕事で転勤しているのです。
この本は飯田高校のホームページに紹介され卒業生が編集に携わったそうです。絵を描かれた熊谷博人さんのお父さんは故熊谷元一さんです。小学校教員・童画家・写真家として活躍され、絵本『二ほんのかきのき』(別ウインドウで開く)岩波写真文庫『かいこの村』(別ウインドウで開く)『農村の婦人』(別ウインドウで開く)そして『一年生-ある小学校教師の記録-』(別ウインドウで開く)はあまりに有名です。
この本は川柳に隠された動物たちを見つける絵本です。例えば「涼むしか ないかも勉強 放りすて」の川柳とともに動物たちのシルエットが描かれています。次のページに「スズムシ・シカ・イカ・カモ・リス」の答えが添えられ、シルエットが色付きとなって動物たちが描かれているのです。遠方にいるホノちゃんに送っておき、「父の日」に持ってきて読みましたが、次々に動物の名を教えてくれました。
この本も孫を抱きかかえ、動物たちを考えながら「エーよく分かったね」と褒めて読み進むと面白いと思います。
令和7年度に、飯田市立中央図書館は開館110周年を迎えます。記念事業のひとつとして、本と人との出会いの場を広げるために、市民の皆さんからもおすすめ本紹介文を募集し、「よむとす」として掲載していきます。
「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。
飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。