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よむとす No.324 夢のアザラシ

[2024年8月1日]

ID:1127

夢のアザラシ

鼎図書館 平沢 百花

夏休みになると家族旅行でよく水族館へ連れていってもらっていました。そのせいか、今でも旅行をする時は必ず水族館を訪れるくらい私は、水族館という場所が好きです。水族館の水に囲まれた空間や、普段見ることのできない海の生き物を間近で観察できるのが魅力的で何時間もかけてゆっくり歩き回ります。その中でも私が一番好きな生き物は「アザラシ」です。アザラシのなんともいえない丸いフォルムとゆったりした泳ぎ方、犬のようなつぶらな瞳に癒されます。最近は、アザラシのあかちゃんの成長の様子を動画で公開している水族館もあるので、その動画を観ることも楽しみの一つです。今回はそんなアザラシの魅力が伝わる本を紹介します。

『寝ても覚めてもアザラシ救助隊』

『寝ても覚めてもアザラシ救助隊』(別ウインドウで開く)
岡崎 雅子/著 実業之日本社 2022年6月

この本は、北海道にある日本唯一のアザラシ保護施設「オホーツクとっかりセンター」で働く飼育員岡崎雅子さんのアザラシ愛溢れたエッセイです。岡崎さんは、幼いころに貰った白いアザラシのぬいぐるみがきっかけでアザラシに夢中になります。「アザラシのそばでどうしても働きたい」そんな夢を叶えるべく狭き門である水族館獣医師を目指します。何度も夢を断たれそうになりますが、決して諦めずアザラシ愛を貫き通し、ついに「オホーツクとっかりセンター」の飼育員になります。
野生のアザラシを保護することの難しさに奮闘しながらも、アザラシに囲まれて仕事をする楽しい様子や、アザラシ一頭一頭の個性、また、その可愛らしさが描かれています。
この本を読んで私が面白いと思ったのは、アザラシはとても頭が良く、自分の名前やニックネーム、それから所属しているグループまで理解しているというところです。「おんなのこおいで」と飼育員さんが呼ぶとメスのアザラシが。また、おとこのこを呼ぶとちゃんとオスのアザラシだけが呼んだ人のところに来てくれるそうです。
また、アザラシの生態、種類の見分け方やアザラシに人気の魚についてもかわいいイラストと写真と共に詳しく紹介されています。
アザラシの生態がわかるのはもちろんですが、著者のように、例え、他の人には共感されなくても、自分の心の中の「好き」という気持ちを大切にすることで、夢を叶えることができるという素敵な一冊です。

『まるすぎるアザラシ』

『まるすぎるアザラシ』(別ウインドウで開く)
桑田 知穂/写真 パイインターナショナル 2020年4月

象の様な大きな鼻に大きな体の「ミナミゾウアザラシ」や「ゴマちゃん」で有名な可愛い見た目の「ゴマフアザラシ」などアザラシと一口に言っても種類によって大きさも、見た目も大きく異なります。
その中でも、私が一番好きなのが「ワモンアザラシ」という種類のアザラシです。ワモンアザラシはアザラシの中で最も小さく、輪紋の模様が特徴的なアザラシです。私は、「海遊館」で飼育されているワモンアザラシのユキちゃんの動画を見て、その小さな体と短い前脚、まるまるとしたフォルムの虜になりました。
日本の水族館では、大阪にある「海遊館」の他にも、一冊目に紹介した「オホーツクとっかりセンター」などでもワモンアザラシに会うことができるそうです。
この本は、海遊館で暮らすアザラシ達の写真集です。まるで温泉に浸かっているかのように水の中でリラックスするアザラシの様子や、この本のタイトルの通りお饅頭の様に丸々としたフォルムでくつろいでいたり、顔をくしゃくしゃに縮めて眠っていたりと、可愛い表情やコミカルな仕草に癒されます。海遊館の飼育員さんのインタビューからもアザラシの魅力が詰まっています。
私が好きな写真は、飼育員さんに「ぷにっ」と摘ままれている写真です。
本をめくる度に癒されるアザラシ好きにはたまらない一冊です。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。