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よむとす No.314 文房具を知る

[2024年3月1日]

ID:1101

文房具を知る

上郷図書館 青島 颯希

私は文房具が好きです。文房具のコーナーに行くとあれもこれもほしくなってしまいます。近年では、最新のデザインや機能性がニュースで取り上げられブームになることもあり、年代関係なく身近なものです。しかし、どれだけ身近なものでも意外と深くまでは知らないという人が多いかと思います。かくいう私もその一人です。今回は文房具を知って楽しめる本を紹介します。

『文房具の解剖図鑑』

『文房具の解剖図鑑』(別ウインドウで開く)
ヨシムラ マリ、トヨオカ アキヒコ/著 エクスナレッジ 2018年06月

「消せるボールペンってどんな仕組み?」「鉛筆と色鉛筆の違いって?」「ホチキスの名称がいくつもあるのは何故?」など、一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。この本は、皆さんお馴染みの鉛筆やボールペン、消しゴムなどの文房具の仕組みや成り立ちを、イラストとともに楽しく知ることができる一冊です。
普段何気なく使っている文房具の知られざる歴史や仕組みに、思わず「へぇ」と感心の声が漏れてしまいます。私は、消しゴムが誕生するまではパンが使われていたことや、日本最古の鉛筆が現存していることに特に衝撃を受けました。
文房具に込められた先人たちの知恵と技術を知り、使うことの楽しさを発見できます。そして、いつも使っている文房具がより愛おしく思えてきます。

『水沢文具店』

『水沢文具店』(別ウインドウで開く)
安澄 加奈/著 ポプラ社 2017年3月

小学校教師の栞はある日、商店街の「水沢文具店」の前で不思議な張り紙に目をとめます。この文具店でペンとノートを購入すると店主が自分だけの物語を書いてくれるという、商店街の小さな文具店を舞台にしたお話です。
自分だけの物語なんて心惹かれますよね。もし自分だったらどんな物語をお願いするのかな、と想像してしまいます。悩みを抱えて訪れるお客さんが、自分のために書かれた物語からそっと背中を押してくれる優しい勇気をもらい、自分の人生を歩んでいきます。文房具と人の想いが紡ぐ心温まる物語です。ほっと一息つきたいそんなあなたにおすすめの一冊です。

『「試し書き」から見えた世界』

『「試し書き」から見えた世界』(別ウインドウで開く)
寺井 広樹/著 ごま書房新社 2015年10月

文具店や文具コーナーに必ずと言って良いほどある「試し書き」。書き心地やインクの発色など確かめるために使っている人が多いと思います。皆さんは何を書いていますか?私はいつも無意識に「あ」と書いています。
この本は、試し書きコレクターである著者が世界中を巡って集めた試し書きからお国柄や時代背景を読み解き、そして試し書きをアートとして見た魅力を綴っています。今まであまり注目していなかった着眼点から見える新しい世界に、ワクワクがとまりません。文具店との交渉や、著者の独断と偏見で作った試し書き人物診断など、ユーモアに溢れた内容に笑みがこぼれます。私はこの本を読んでから、つい試し書きのコーナーを見るようになりました。ぜひいつもとは違う視点で文房具を楽しんでみてください。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。