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よむとす No.306 お金と向き合う

[2023年11月2日]

ID:1064

お金と向き合う

中央図書館 唐木 知子

新NISA、iDeCo、FIRE、FXなどお金をめぐる聞きなじみのない言葉を耳にする機会が増えたように感じます。
そして、それがどんなことなのか疑問に思っても、お金に関わることを話すのは家族や友達の間でも何となくデリケートで、ともすると騙されていると思ってしまうのは、私だけではないはず。
今回は、そんなお金にまつわる本を3冊ご紹介したいと思います。

『森永先生、僕らが強く賢く生きるためのお金の知識を教えてください!』

我が家の長女がまだ幼稚園に入る前に「お金って何?どうしてお金を使うの?」と聞いたことがありました。皆さんならどう答えるでしょうか。この本は、お金の概念から分かりやすく教えてくれる本で、金融システム、お金に関わる新制度、資産運用などについて網羅されています。
この本によると、日本は「金融知識・判断力」に関する問題やマネーリテラシーに関する問題について、英国やドイツ、フランスなど他のOECD(経済協力開発機構)加盟国と比べると、全般的に正答率が低い傾向があるそうです。これは、金融広報中央委員会が3年ごとに実施している「金融リテラシー調査」の結果で明らかになりました。ところが、2022年4月の高等学校学習指導要領の改訂に伴い、公民科に「公共」という新科目が新設されたことで金融教育が必修化され、学校でお金について学ぶようになりました。親世代とはお金に対する感覚が違う子どもたちに、家計のことや家の資産運用について質問される日がくることもそう遠くなさそうです。
お子さんと一緒にお金について考えたい、または自分は全くお金に関する知識がないので一から学びたいと思っている人にぜひ手にとってほしい一冊です。

『はじめてのNISA & iDeCo マンガと図解でしっかりわかる』

新NISAやiDeCoなど、新しい制度に興味はあるけど、それってどんな制度?何から始めたらいいの?リスクはどのくらい?といろいろ疑問に思っている方が、第一歩を踏み出す時におすすめしたい本です。
実際にNISAを始めるためにどのようなステップを踏めばいいか、運用スタートまでの流れがつかめます。初めて使う方向けの本なので、おすすめの金融機関などについても具体的に書かれています。NISAとは一種の投資ですが、こちらの本で解説されているポイントは「長期・積み立て・分散」。これは、投資で一番不安な「値動き」とうまく付き合っていくための考え方だそうです。そして、投資を始めたいと思ったら、感覚を養うために、まずは積み立てNISAで月に100円からでもスタートすることを勧めています。また、始める上で気を付けなくてはならないリスクについても書かれてあり、不安や疑問を解消するために考える材料が揃っています。難解な内容がマンガや表で要点が端的にまとまっていますので、長い文章、難しい文章が苦手!という方にも読みやすい本です。

『財布は踊る』

ドラマにもなった『三千円の使いかた』(別ウインドウで開く)の著者原田ひ香さんのお金に関わる小説です。読んでいると、こんなことがあるの!?と、金融詐欺について知ったり、こういうことあるよね、と節約主婦の家計管理について共感したり、驚きと納得の連続です。お金について自分の知らなかった世界を知り、そういうことも世の中にはあるんだろうな、と視野が広がりました。私は読後、何かをするためにお金を蓄えたくなりましたし、今あるお金をどう使うか考えたくなりました。お金さえあれば幸せか、と言われると必ずしもそうとは限りませんが、お金が必要ないとも言えません。自分が手にしたお金をどう使うかは、結局はどう生きていきたいか、ということにつながっています。充実した人生を送るために、お金としっかり向き合っていきたいなと考えさせる本でした。

今回ご紹介した本は、お金の入門編ですが、中央図書館には、『日経マネー』『ダイヤモンド・ザイ』など金融に関わる雑誌があり、最新の情報が手に入ります。他にも金融リテラシーを高めるための本や家計の管理や節約についてなど、皆さんの生活がより充実したものになるためのお手伝いになるような本もあります。どうぞご利用ください!


よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。