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よむとす No.295 ちょい足しで…

[2023年5月1日]

ID:982

ちょい足しで…

鼎図書館 玉置 郁子

生活にかかわるいろいろな表現の中で、“ちょい足し”ということばをよく目にします。
「ちょい足しレシピ」「ちょい足しで部屋が変わる…」などです。その言葉の中に感じられる、ちょっとだけというニュアンスが少しハードルの低いものに感じられ、自分も取り入れてみようかなと思わせてくれる気がします。
そんな“ちょい足し”の本を紹介したいと思います。


『ちょい足しことば帳』

『ちょい足しことば帳』(別ウインドウで開く)
今井 登茂子/著  朝日新聞出版 2023年1月

この本を手に取ったのはまさにその“ちょい足し”という言葉が気になったからです。この本でいう“ちょい足しことば”とは、表現自体は変えないが、ことばを加えることで相手への伝わり方が変わるなど、簡単で手間もかからないけれど意外な効果がある、そんなことばのことだそうです。
著者は、TBSのアナウンサーから独立して活動し、コミュニケーション塾を開き、アナウンサーや企業の経営者層にアドバイスをしたり、社会人になりたての方々に研修を行ったりと、60年以上、ことばの世界にいる方です。本書は、この作者の経験をもとに、“ちょい足し”が生み出す、ことばの表現が変わる7つのすてきな効果を10章に分けて100のフレーズで解説。コラムもあります。なかでも「おわび受け」や「感謝」の章は、より身近で、なるほどと思えるものばかりです。
「ことば」は本当に大切なもの。「ことば」にしないと相手に伝わらないし、「ことば」にしたとしても、その気持ちが相手に伝わらなければ意味のないものになってしまいます。
「ことばづかいは こころづかい」。という著者の言葉はとても心に残りました。

『コーヒーがないと生きていけない!』

私の日々の“ちょい足し”はなんだろうと考えると、まずはじめに、コーヒーが思いつきました。食後の一杯、休憩の一杯。そんなにこだわりがあるわけではないのですが、コーヒーがあるのとないのとでは違う気がするものです。
この本のタイトルを見たときは「生きていけない!」という言葉に驚きもありましたが、ページをめくると、中は、イラストと写真でとても分かりやすいものでした。なおかつ、聞いたことはあるが詳しくは知らなかったということもたくさんあり、ワクワクしながら読み進められました。
コーヒーが好きな人も、これから好きになるかもしれない人も、「見る」「学ぶ」「飲む」「知る」「巡る」の5つのテーマに分かれたこの本は、どこからでも楽しめると思います。
著者は、おいしくコーヒーを飲むコツは「淹れてくれてありがとう、うれしいな」と思いながら飲むことではないかと言っています。私も、せめて、ゆとりをもって味わえるようになりたい。そして、この本のサブタイトルにあるように、“毎日がちょっとだけ変わる楽しみ方”をしたいと思いました。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。