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よむとす No.197 世界で最初

[2019年4月1日]

ID:660

世界で最初

中央図書館 杉本 敏子

 

何事にもはじまりがあります。それが世界で最初となると、興味が湧きます。発見、発明、それとも偶然?何が世界の最初につながったのでしょうか。


『6この点』

『6この点』(別ウインドウで開く)

シェン・ブライアント/文 ボリス・クリコフ/絵 日当 陽子/訳 岩崎書店 2017年8月


6この点とはルイ・ブライユの発明した点字のことです。点字は2列に並んでいる6この点でアルファベット、数字、記号などを表すものです。

5歳の時に失明したルイ・ブライユがしたかったことは、他の人と同じように読み書きをすることでした。進学した王立盲学校にもルイ・ブライユを満足させてくれるものはありませんでしたが、そこで出会ったシャルル・バルビエの暗号用点字を元に、彼は目の見えない人が読み書きする点字を作りあげました。点字はルイ・ブライユの他の人と同じように読み書きしたいという思いの結晶です。点字によって目の見えない人の世界が広がりました。

図書館には点字と隆起印刷を施したさわる絵本『しろくまちゃんのほっとけーき』(別ウインドウで開く)(こぐま社)や『ぞうくんのさんぽ』(別ウインドウで開く)(福音館書店)があります。ぜひ、さわってみてください。私はさわってみましたが、点を感じることは出来ても点の配置は全く分かりませんでした。


『海辺の宝もの』

『海辺の宝もの』(別ウインドウで開く)

ヘレン・ブッシュ/著 鳥見 真生/訳 あすなろ書房 2012年4月


 この本は世界初の女性化石収集家メアリー・アニングの伝記物語です。

メアリーはイギリスの貧しい家に生まれました。11歳で父を病気で失った後は、大好きだった父から教えてもらった化石堀りを仕事とし、集めた化石の手入れをして、観光客や学者たちにそれを売って生活を支えました。メアリーの宝ものは海辺で集めた「変わり石」でした。メアリーは「変わり石」と呼んでいましたが、それは化石でした。生活のためだけでなく、どんなふうにして化石ができたのか、それはどのくらい昔のことなのかという化石に対する尽きることない興味と情熱が危険で重労働な化石堀りを続けていく根底にありました。その興味と情熱が12歳でイクチオサウルスの骨の発見につながったのです。その後も化石掘りに生涯を捧げ、プレシオサウルスやプテロダクティルスの化石を発見し古生物学・地質学の発展に貢献しました。

メアリーの発見した化石は今もイギリスをはじめ世界中の博物館で見ることができます。


 

『せかいでさいしょのポテトチップス』

『せかいでさいしょのポテトチップス』(別ウインドウで開く)

アン・ルノー/文 フェリシタ・サラ/絵 千葉 茂樹/訳 BL出版 2018年5月


今、私たちが食べているホテトチップスの始まりを知っていますか?

始まりはレストランにやって来た“こだわりや”のお客さんのフライド・ポテトが「分厚くて生煮えだ」という文句からなのです。お客に鼻先であしらわれると思って出したポテトチップスがすっかり気に入られてメニューとなってひろがりました。お客さんの文句から出来た、まさに偶然の料理なのです。

巻末にこの物語のヒントになった実在の人物ジョージ・クラムについても書かれています。

ホテトチップスが食べたくなる絵本です。


よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。