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よむとす No.196 色

[2019年3月15日]

ID:655

中央図書館 遠山 百合香

 

先日、虹を見ました。久しぶりに大きく色鮮やかな虹を見ました。何かいいことがありそうだと思い、子どもと一緒にしばらくみとれていました。色には、人の心を動かす不思議な力があります。私たちの気持ちや行動にさまざまな影響を与えています。オシャレでもビジネスでも色はとても重要なものです。私たちは彩りに満ちた生活の中でたくさんの色を感じています。あなたはどんな色が好きですか。


『人を動かす「色」の科学  1杯のコーヒーから始まる身近で不思議な世界』

本書は、カラーコンサルタントとして活動している著者が、不思議な色の世界を案内してくれます。まず色そのものの不思議について、「色」と思っているものの正体はなんなのか、どのような仕組みで見ているのかなど色の基礎知識があり、次に色を用いて人を引きつける仕掛け、色の組み合わせや並べ方、見せ方といったテクニックが書かれています。店内に入りたいという気持ちを起こさせる店の外装や看板は、私達を無意識のうちに店に誘い込みます。例えば、皆さんもよくご存じのコンビニエンスストアーの「白・オレンジ・白・緑・白・赤・白の7本のストライプ」は、日本で初めて「色彩のみからなる商標」として認められたそうです。文字や形状にではなく、特定の色を特定の企業が独占できる権利です。

他にもプレゼンや商談で有効だと思われる色の使い方。面白いのは、ヒーローやアイドルの「色の法則」の解説です。スーパー戦隊シリーズの作品と戦士のカラーや、ジャニーズ事務所のアイドルグループも1人1人に色分けされ分析されています。

1年で2億ドルを稼ぎだしたGoogleの青とは?引っ越しの段ボールに白が多いのはなぜか?銭形のとっつぁんが「茶色」を着る理由は?など、色の不思議、気になりませんか。 興味深い多数の具体例があげてあり、もちろんカラーで見やすいです。色について気軽に楽しめる1冊です。


 

『世界の美しい鳥』

『世界の美しい鳥』(別ウインドウで開く)

上田 恵介/監修 パイ インターナショナル 2012年12月


美しい色彩を持った鳥、約180羽が写真で紹介されています。表紙の鳥・ライラックニジブッポウソウのピンクと水色とエメラルドグリーンは明るくとてもきれいな色でみとれてしまいます。クジャクやオシドリやニジキジなど“〇〇〇色の鳥”と一言では言い表すことができない多様な色彩の鳥たちの姿を言葉でお伝えできないのが残念です。

世界にはこんなにも沢山、美しい色を持った鳥たちがいるとは驚きです。それも自然の中に。この本は日本では見ることができない世界中の美しい鳥を楽しむことができます。ちなみに、私は、オオルリやルリビタキのような小さな鮮やかな青い鳥がとてもかわいらしく好きです。鳥たちの鮮やかな色はもちろん、かわいい鳥や鋭い目を持つ鳥、くつろいだ姿や鳥の表情も楽しんでいただけるのではないでしょうか。

巻末には、鳥の名称・平均的な体長・主な生息地が記載されています。


『きれいな色とことば』

『きれいな色とことば』(別ウインドウで開く)

おーなり 由子/絵と文 講談社 2018年6月


子どもの頃から今まで、いろいろな色を感じてきた著者が、その色にまつわるエピソードを飾らないやわらかい言葉で書いています。

普段コンタクトレンズをすることが多いけど、赤いフレームのめがねを買った。赤と言ってもすいかジュースのような赤色。おいしそうな色。黒っぽい服装にメガネだけ赤という格好。いつもと違う自分がうれしいという「すいか色めがね」のお話。「まだ冬だけど、メガネだけ甘いすいかのきもち」と言う表現も素敵です。私もオレンジ色のめがねをかけたときの気持ちを思い出しました。暖かくなってきたこの時期に読みたいのは「花のうた」。桜の花は薄桃色のポップコーンのようで、白い春の風が吹いて桜の花びらがいっせいに舞う。花びらは散り方を楽しみ、散る時の様子は「花びらの大合唱」と書かれています。

色の表現がとても豊かで心にしみて癒されるエッセイです。淡い色で書かれた挿絵も本当に素敵です。目次からすぐに色を楽しむことができます。言葉にも気持ちにもそして自分にも色がある事を感じさせてくれます。


 

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。