中央図書館 宮内 萌
「ん?リストって…?」って思いましたよね。ここでのリストは、ほしいものややりたいことなどを書き出した“リスト”です。それでは、リストにまつわるお話を紹介していきます。
いろんな動物が出てきて、くすっと笑える短編集。この中に【サイのほしいものリスト】というお話があります。
ある日、サイはコオロギの「ほしいものリスト」を作るお店を訪れます。サイはもうすぐ誕生日なのに何がほしいのかわかっていませんでした。そこで、自分のほしいものをコオロギに決めてもらおうと思ったのです。コオロギがリストに書いたのは2つ。
さて、サイはどんなプレゼントをもらえたのでしょうか?
「願い、かなえます」と言われれば、じゃあどんな願い事にしようかなとわくわくしてきますが、このお話ではその願いを自分が叶えてあげるほう。しかも、その願いを叶えてあげられるかどうかに、天国行きか地獄行きがかかっているとしたら……。
主人公のメグは14歳。一人暮らしの老人のアパートへ忍び込みますが、なんと命を落としてしまいます。良い行いをしたら天国へ、悪い行いをしたら地獄へ、とよく言いますが、例によって、メグもそのまま地獄へ……。のはずが、なぜか天国へ行けるチャンスを手にします。
それは、その老人の願いを叶えること。
老人はメグに“ウィッシュリスト”を渡します。20個ほど項目が書いてあるうちの4つに、丸と番号が書いてあります。その4つを叶えるのです。
メグと老人は文句を言い合いながらも願いを叶えていきますが、メグの霊魂に惚れ込んだ魔王がなんとしてでもメグを地獄に引きずり落とそうとします。
はたして、メグは天国へ行けるのでしょうか。そして、老人の願いとは……。
徐々に心を通わせていくメグと老人ふたりの関係にも注目です。
エルサ7歳(エルサ風に言えば、もうすぐ8歳の7歳)、おばあちゃん77歳(こちらも、もうすぐ78歳の77歳)。
変わり者のエルサの友達は変わり者のおばあちゃん。エルサの一番の味方。
しかし、おばあちゃんは亡くなってしまいます。
エルサは、おばあちゃんが話してくれる〈眠りのふちの大地〉の世界が大好きでした。〈眠りのふちの大地〉には王国が6つあって、ミアマス、ミプロリス、ミ……っと、危ない、危ない。全部言ってしまったら、このお話の面白さが半減してしまうところでした。
さて、おばあちゃんが亡くなる直前、エルサはある任務を遂行することを約束します。それは、おばあちゃんの友達に“謝罪の手紙”を渡すこと。その友達のヒントが〈眠りのふちの大地〉に隠されているのです。
これ以上書きすぎると読む楽しみがなくなってしまうのでこのへんにしておきましょう。
お別れの挨拶は、〈眠りのふちの大地〉風に、“またあとで”。
「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。
飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。