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よむとす No.123 手渡すということ、手渡されるということ 2016年02月15日

[2017年6月8日]

ID:89

手渡すということ、手渡されるということ

上郷図書館 田中 文子

愛し方、悲しみ方、働き方、暮らし方。
生きる方法は、知らず知らずのうちに、「誰か」に教えてもらったもの。手渡されたもの。
そんな「誰か」を思い起こす、4冊をご紹介です。
さあ、春へ向かう季節になりました!別れ、出発、それぞれの春がやって来ます。
悔いの残らぬよう、準備はできていますか?

『手から、手へ』

『手から、手へ』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)

池井昌樹/詩 植田正治/写真 集英社 2012年10月

―どんなにやさしいちちははも おまえたちとはいっしょにいけない
―そこからは たったひとり
たった15ページ足らずの言葉。けれど何かに怯んだ時、投げ出してしまいたい時、遠くのほうから引き戻されるような、幼い頃の自分が呼びかけてくるような、そんな一篇の詩の写真絵本。

『18きっぷ』

『18きっぷ』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)

朝日新聞社/著 朝井リョウ/著 朝日新聞出版 2015年10月

岐阜、愛知、三重の東海3県に住む18歳。ミュージシャン、鳶職人、黒ギャル、居酒屋店主など、職業はまったく異なる彼らが、今思うこと・いちばん欲しいもの・選んだ進路などを語るインタビュー集。巻末には、「1年後の18歳」のメッセージが付く。道を尽き進む19歳もいれば、違う道へ転換した19歳もいる。
1年前何を考えていただろう、1年後何を選んでいたいだろう?問いかけられる1冊。

『老いを生ききる』

マサエさんは、毎年300日、40年間、焼きいもを売り歩いた。正光さんは、老人ホームを飛び出し、サウナ暮らしと街歩きを続けた。介護をする自信を失ったお嫁さんの良子さんと、良子さんの手を握り続けて離さない、姑のもとじさん。
9人の“老い”を追いかけた、壮絶なルポである。読んでいるのが時に辛くなるが、80歳を越えても、90歳を越えても、静かな笑みをたたえながら闘い続け、最期まで生ききった先人方から、目は背けられない。

『空へのぼる』

桐子が中学生の時、0歳の妹・乙葉を部屋に残して両親は消えた。10年後、庭師になった桐子は、ばあちゃんと乙葉と暮らしている。恋人は、空師の軍二。悩みはあっても、何とかやっていけていた。
そんなある日、桐子の妊娠をきっかけに、姉妹の心に抱えていた想いが、ざわめきはじめる。
―うちは、お荷物やったん?
―いつかあたしも、子どもを捨てるんだろうか?
木とともに生きる2人の、オムニバス小説。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。