「“自転車のまち”いいだ」~自転車の魅力や楽しさを伝える本はいかが?~
『自転車で健康になる』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)
中村博司 高石鉄雄 著 日本経済新聞出版社 2009年6月発行
請求記号 786-ナカ 中央図書館所蔵
飯田市では、環境モデル都市の取り組みの一環として「自転車市民共同利用システム推進事業」が始まりました。
この本では、健康に良いといわれているウォーキング、ジョギングよりも、一定の運動強度上で行った自転車通勤が、悪玉コレステロールや中性脂肪などの血液性状改善に効果的であったという例が紹介されています。そのほかにも、メタボ解消に効果的な乗り方や自分に合った自転車の選び方など安全な銀輪ライフの過ごし方が書かれています。
この機会に自転車に乗ろうと考えている方、毎年の健康診断でメタボリック症候群ではとドキドキしている方…健康維持のためには自転車がお勧めです!
飯田は坂が多いからねえ、とためらっている方も、ぜひ読んでみてください。
自転車が主役の読みごたえのある小説も出版されています。
『丘の上の小さな街で-白鳥和也 自転車小説集-』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)
白鳥和也 著 えい出版社 2008年5月発行
請求記号 BF-シラ 中央・上郷図書館所蔵
飯田市主催「サイクル・トークサロン」のトークショーにも参加された著者の自転車小説集。
いずれも自転車で訪れた街での人との出会いとできごとは描かれています。
収められた5篇のうちの「丘の上の小さな街で」は、飯田の街での人との出会いの物語です。
ここまで泊まろうと思っていたわけではなく、自転車の故障で泊まらざるをえなくなった飯田。
自転車に関わって思いがけない人間模様が繰り広げられます。
地名もそのものは使われておらず、現実とは異なる架空の物語とことわりがあるものの、登場する道、店、風景は飯田に住むものなら、ああ、あそこかな、と思い当たるものがあり、自分の住む街がなんだか映画のシーンのように鮮明にそして魅力的に映し出されて不思議な感覚が残る小説です。
同じ著者の、自転車愛好家の楽しいエッセー『自転車依存症』(別ウインドウで開く)もどうぞ。
『サクリファイス』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)
近藤史恵 著 新潮社 2007年8月発行
請求記号 F-コン 中央図書館所蔵
自動車のロードレースはチーム競技で、チームの中から優勝者(一番でゴールする人)を出すことを目指す競技です。
空気抵抗がスピードに大きく影響するため優勝すべきエースを勝たせるために、まず「アシスト」と呼ばれる選手が先頭集団の前に飛び出し空気抵抗を受けながら集団を引張ります。必至に引張るが体力的に疲労もするのでそのままゴールに入ることはまずありません。最後の最後にエースが飛び出し好成績をあげるのですアシストは自分の力全てをその名の通りアシストに使います。エースの自転車が故障したら自分の部品を渡すことさえあるそうです。
この小説では、エースではなく、そのアシストが主人公。主人公白石の所属するチームには、勝利に固執するエース石尾、白石の同期で次期エースといわれる伊庭がいて、その年の4つのレースを総合で勝つことを目指して走ります。
“ただ、あの人を勝たせるために走る。それが僕のすべてだ―。”とアシストに徹する白石。
自分が勝つのではなく、エースを勝たせるために走る、それはどんな気持ちなのでしょう。
レースの駆け引き、チーム内での人間模様、最後に大きなどんでん返しも待っている心熱くなる物語です。書名の“サクリファイス”には、アシストのことではない、もうひとつの大きな意味合いが隠されています。4つのレースの中には、ここ南信州ステージも描かれています。
この本を読むまで“自転車レース”といえば、眼の前をシャーッと通り過ぎていっておおっとは思うものの、それだけのものでした。それが、他のスポーツにはない面白味をもった、こんなドラマチックなスポーツだったとは!
飯田でロードレースが行われる機会も増えました。この本を読んだら、見に行きたくなることそして選手の誰かに注目したくなること間違いなし!です。
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