ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

スマートフォン表示用の情報をスキップ

よむとす No.290 郷土ゆかりの本

[2023年2月15日]

ID:973

郷土ゆかりの本

中央図書館 杉本 敏子

図書館に勤めて、地元在住や出身の方の著作や地元に関係する資料が郷土資料という形で大切に扱われていることを知りました。中央図書館2階は郷土資料コーナーです。堅苦しいイメージがあるのか足を運んでくれる方が限られていますが、そんなことはありません。どんな本があるのか、のぞきに来ませんか。

『信州おばあちゃんのおいしいお茶うけ』

お茶の時間は、子どもにとっても大人にとっても楽しいひとときで、家族団欒や近所の人達との交流の時間です。そして、会話と共に楽しみなのがお茶うけです。
この本では、信州のおばあちゃん直伝の漬物や果物の砂糖煮といった保存食を中心にしたレシピを紹介しています。甘い物からしょっぱい物まで、味も食材も多彩です。
お茶うけあるある、長野あるあると題したコラムもあり、「おあがりて」攻撃が得意だなど思わず納得して、笑ってしまいました。
著者は飯田市生まれ、長野県内育ちです。自分の家のお茶うけレシピも載せています。私は、30年振りに同級生からリクエストされたというキャラメルが、気になりました。 
人が集まるのが難しい時代ですが、お茶うけを持ち寄ってお茶の時間を楽しむ文化が続いて行ってほしいと思っています。

『数学者の夏』

『数学者の夏』(別ウインドウで開く)
藤本 ひとみ/著 講談社 2020年9月
数学者を目指す高校生の上杉和典は、リーマン予想を解こうと静かな環境を求めて下伊那の学生村にやってきました。本人の気持ちとは裏腹にリーマン予想は行き詰まってしまいます。そんな中、滞在先の周辺で相次ぐ不審な出来事に心奪われて、いつしか独自で調査を始めます。満蒙開拓団の歴史や企業の不祥事もからめたミステリ小説です。
この本も、著者は飯田市出身の方です。そのため、本文の会話には「だだくさもない」や「いいずら」「どざえる」といったなつかしい飯田の言葉が出てきます。地元を感じて親近感がわきました。
著者は、他にも郷土の偉人松尾多勢子を題材にした歴史小説『火桜が根 幕末女志士多勢子』(別ウインドウで開く)や、自伝的小説『離婚まで』(別ウインドウで開く)などでも飯田を取り上げています。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。