ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

スマートフォン表示用の情報をスキップ

よむとす No.267 郷土資料を読もう

[2022年3月1日]

ID:903

郷土資料を読もう

中央図書館 杉本 敏子

 

中央図書館の2階、鼎図書館、上郷図書館、各分館にも郷土のコーナーがあります。飯田・下伊那を中心に長野県に関係した資料や長野県出身者、在住者の著書が置いてあります。専門的な堅い本ばかりではなく、ガイドブックや読んで楽しい本も置いてあります。来館された時、是非立ち寄ってください。


『信州山歩き地図 中信編・南信編』

『信州山歩き地図 中信編・南信編』(別ウインドウで開く)

中嶋 豊/著 信濃毎日新聞 2014年4月

中信の山30山37コース、南信の山30山40コースが紹介されている本です。

四季折々に美しい飯田市民の山として風越山の登山コース(押洞コース、円悟沢コース、高鳥屋山コース)が載っています。コースごとに手描きのイラストマップがあり、登山道の様子や石碑、神社などが細かく書き込まれています。また、著者が登った時の写真やコースの見どころ、感想も書かれており、ながめるだけでも楽しめます。

著者は、山には言葉では言い表せない多くの魅力があり、山岳は、山楽(山を楽しむ)、山学(山に学ぶ)などの言葉で表しても良いのではないかと思うと書いています。

春になったら山楽してみませんか。


『風の神送れよ』

『風の神送れよ』(別ウインドウで開く)

熊谷 千世子/作 くまおり 純/絵 小峰書店 2021年10月

「コト八日行事」を知っていますか。

疫病神を鎮める「コト念仏」とその疫病神を集落の外まで送る「コトの神送り」からなる行事です。飯田市内では天竜川左岸(竜東)地区で行われています。2011年に国の選択無形文化財になりました。

この本は飯田を舞台に、「コト八日行事」を題材に取り上げた物語です。子ども達だけで行う地区を舞台に、初めて参加する子、今まで1度もコト八日行事をやり遂げたことのない子、コロナの影響で引っ越してきた子、ぞれぞれの子どもが自分の役割を果たし、懸命にコト八日行事を行う姿が描かれています。

物語を読むことを通して長い歴史を持つ地元の行事を知る機会になればと思います。


『博物館の少女』

『博物館の少女』(別ウインドウで開く)

富安 陽子/著 偕成社 2021年12月

明治初期の東京が舞台の物語です。主人公のイカルは両親を亡くして、親戚を頼って大阪から上京してきた古物商の娘です。ある日、親戚の娘トヨの用事で上野の博物館を訪れたイカルは、館長に目利きの才を認められて、博物館の古蔵で怪異の研究をしている織田賢司の手伝いをすることになります。蔵から盗まれた黒手匣(くろてばこ)の行方を追いながら、謎を解いていきます。

イカルの才を認めた館長の田中芳男は「博物館の父」として知られる飯田出身の実在の人物です。郷土の偉人が主人公の運命を決めるキーマンとして登場し、読んでいて嬉しくなりました。

この本がきっかけになって、郷土のことに興味をもってもらえると嬉しいです。


よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。