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よむとす No.257 脳内トリップ

[2021年10月1日]

ID:874

脳内トリップ

鼎図書館 毛涯まるみ

 

運転することが好きです。子どもの頃から家族でドライブが好きでしたが、大人になってから運転自体を好きなことに気づきました。しばらく遠くへは行けていませんが、観光の本を見て楽しむことは出来ます。また他にも、移動が出来ない時でも楽しめる本があるのをご存じでしょうか。


『歴史の道調査報告書 6~10 復刊版』

歴史の道調査報告書 6~10 復刊版(別ウインドウで開く)

長野県教育委員会/編 長野県文化財保護協会 1982年

こちらは全国の主要な街道を調査し、まとめたものです。どんな道筋か、それぞれの宿場にどんな出来事があったのかなどが書いてあります。出版は1981年と少し古く、またタイトルが硬いので敬遠するかもしれませんが、簡潔な文章で写真も載っています。

そして重要なのは、現在も使われている道が載っていること。つまり、昔と現在の道を照らし合わせてその違いを楽しむことができるのです!

例えば伊那街道は、現在では主に国道153号がそれに当たります。この本を見ながら、「自分がいつも通る道にある古い石碑に、そんないわれが!」とか、「こんな道標あったっけ」と思いつつ、実際に通って探してみると「ほんとにあった!」など、遠い過去と現在が繋がって興奮冷めやらぬ状態になります。

いつも同じ道で飽きた…と思ったら、ちょっと見てみてください。新鮮な気持ちで通ることが出来ますよ。


『わがムラの石造文化財 1』

『わがムラの石造文化財 1』(別ウインドウで開く)

南信州文化財の会/編 南信州新聞社 2016年2月

さて、主要な道沿いではなくとも、近所に「これって何?」と思う石碑はありませんか?そんな時に見ていただきたいのがこちらの本です。

平成22年から南信州新聞に連載されていた『わがムラの石造文化財』をまとめたもので、下伊那郡の地域別に地図・写真付きで石造文化財(塚、碑、塔など)がその歴史や由来と共に紹介されています。これによると、南信州の石造文化財はわかっているだけで約2万5千基あるそうなので、記載されているのはごく一部ですが、厳選されています。

なぜここにあるのかわからない石碑も、その背景や刻まれた文字の意味を知ると、過去にそれを強い思いで建てた人々が確かに生きていて、それが自分の日常と地続きなのだと実感します。

今いる場所から遠い過去まで、少しの間旅をしてみてはいかがでしょうか。


よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。