中央図書館 藤田 若菜
中央図書館の一階から中二階へ行く階段の途中にYA(ヤングアダルト)コーナーがあります。YAコーナーとは、中学生・高校生を中心とした10代の皆さんを対象にしたコーナーです。
今回はそのYAコーナーにある本を紹介します。もちろん、中高生以外の方でも楽しんでもらえる本がたくさんあるので、中央図書館に来たときはぜひ一度棚をのぞいてみてください。
上田 慎一郎/著 吉田 大輔/原案 上田 悠二/イラスト 星海社 2018年11月
「ドーナツの真ん中に空いた穴。その穴から望遠鏡をのぞきこむみたいに、いろんなものをのぞき見るのだ」
誰もが食べたことのあるドーナツ。そのドーナツの穴から世界をのぞき見るのが主人公あやねのクセ。そんなあやねに訪れた父親の突然の死をきっかけに、彼女の日常にさまざまな“不思議”が舞い込みます。
学校ではタバコを吸う代わりにメンマを食べる先生がいたり、公園では厄年だからと自分の背丈と同じ深さの穴を掘るサラリーマンを見かけたり、友達といった映画館では相撲の取組と映画上映が同時に行われていたり…。
自分がおかしいのか、それとも周りがおかしくなってしまったのか…。
不思議で面白いドーナツの向こう側の世界。ぜひ読んで感じてみてください。
『青春サプリ。―自分を変えてくれる場所―』(別ウインドウで開く)
安藤 隆人、菊地 高弘、氏原 英明/著 くじょう/絵 ポプラ社 2020年4月
この本は部活を題材とした短編集のシリーズの一冊で、収録されているのはすべて実話です。
今回紹介する本には、サッカー部、野球部の話が収録されています。なかでも私は、女子サッカー部の話が気になったのでこの本を選びました。
舞台となる高校は男子サッカーの名門校。その高校に女子サッカー部ができたのは2012年のことです。その背景にはひとりのサッカー好きな女の子、美穂の存在がありました。美穂は小さいころから地元のサッカークラブに入り、ずっとサッカーを続けてきました。そんな美穂は中学生のころに入った地元のサッカークラブで周りのスピードやパワーについていけなくなります。悔しい、でも仕方がない、そんな感情が美穂に沸き上がります。
そんな中、進路を決める時になってちょっとした心境の変化がおこります。そしてその時、ある案が頭に浮かびました。その案とは?どのように女子サッカー部設立に至ったか、そしてその後の活躍は?ぜひ読んでみてください。
「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。
飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。