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よむとす No.242 昭和

[2021年2月15日]

ID:821

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昭和

中央図書館 遠山 百合香

 

話題となっている鬼滅の刃は大正時代の話です。息子に「ひいばあちゃんは大正生まれでしょ。おばあちゃんとお母さんは昭和時代だよね。」と言われました。“○○時代”と聞くと、遠い昔のように感じられます。自分が生まれた昭和はつい最近のような気がしていたのに・・・。

昭和の懐かしいあの頃を思い出し、また、知らなかった昭和の生活が見えた3冊を紹介します。


『あのころ、うちのテレビは白黒だった』

著者が家族4人で暮らしていた昭和30年代から40年代前半くらいの家を舞台としたイラストエッセイです。第1章の玄関から始まり、居間・客間・子供部屋へとページが進んでいきます。洗面所や庭なども案内してくれます。

受話器の重い黒電話・座敷にある四角い重い座卓に、厚みのあるツルピカしたお客様専用の座布団・はたき・ご当地ペナントなど、私も覚えがあり懐かしいです。昔、我が家も薪で焚くお風呂でした。薪のお風呂は温度が一定ではないので、熱かったり冷たかったり。上のほうが熱いと思って入ったらまだ焚けてなくて、寒い思いをしたこともありました。自分の子供の頃を思い出します。

特に懐かしく感じたのが水銀の体温計です。私が小学校の頃にはまだ我が家も水銀の体温計でした。時間をかけて測り、見づらい目盛りを一生懸命数えました。今では、おでこにピッとするだけで測れてしまう体温計があり、技術の進歩を感じます。

昭和の時代を生活してきた人も、昭和を知らない若い方も、昭和の風景を思い出すようなあたたかなイラストと文章で書かれたこの本で、懐かしい「あのころ」を味わうことができるのではないでしょうか。


『本多勝一はこんなものを食べてきた』

『本多勝一はこんなものを食べてきた』 (別ウインドウで開く)

堀田 あきお/漫画・文 堀田 佳代/漫画・文 本多 勝一/原案 七つ森書館 2010年3月


この話の舞台は、信州・伊那谷大島村(現在の松川町)で、昭和10年代本多勝一少年の小学校から高等学校までの食べ物体験が描かれた漫画です。と言っても、普通の食事よりも主に昆虫や植物などです。

まずは、ゴトウムシから始まります。薪わりが始まると子供たちは喜んでその場に行き、ゴトウムシの取り合いです。ゴトウムシはカミキリムシの幼虫で、囲炉裏で焼いて食べると、昆虫の中では最も美味しいらしいのですが・・・私には食べられそうにありません。本多少年が中学2年の時に食べたシラガダイジン(大型の蛾クスサンの幼虫)も無理ですね。

スイコンボは私も学校帰りの道沿いや田んぼの土手などにあるものを取って食べました。カタクリコは風邪をひいた時、片栗粉に砂糖と熱湯を注いで混ぜたものを食べさせてくれました。 あのころは、美味しくておやつに作ってもらったこともあったような。父が蜂の子を取ってくれたので焼いて醤油をかけて食べたことも・・・読み進めると次々と子どもの頃の記憶がよみがえります。

ザザ虫・ヒビ・きゅうりの粕もみ・塩いか・天ぷらまんじゅうなど郷土の食べ物も話の中に沢山でてきます。地元の食べ物や文化・生活も知ることができる1冊です。


『イラストで見る昭和の消えた仕事図鑑』

この本は、昭和を象徴する仕事、昭和に消えた仕事、昭和に全盛期を迎えた仕事などをすべてひっくるめて「昭和の仕事」として、親しみやすいイラストを交えて紹介しています。

ドラマや映画で「電話交換手」の仕事があるということは知っていましたが、詳しくは知りませんでした。電話交換手は、誰かが電話をかけたときに、通話しようとする相手方の電話線とつなぐ仕事です。頭の回転の速さや対人調整能力にたけていなければできない仕事で、まさしく当時の女性の花形職業でした。でも、実態は非常に忍耐力を要し、過酷でストレスも多い仕事だったようです。中には交換手の女性に野球の結果報告する人がいたり、知らない男性からデートの誘いが入ったりがすることもあったようです。昭和40年代後半になり、電話回線の発達で交換手を介さずに通話ができるようなったことで、「電話交換手」も昭和の消えた仕事の一つとなったのです。

私の昭和時代は小学生の頃でしたので、この本に出てくる仕事のほとんどが初めて知る仕事ばかりでした。紹介されている仕事の種類の多さに驚かされました。図鑑形式で書かれているので、どこから読んでも楽しめます。


よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。


よむとす No.242 昭和への別ルート