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よむとす No.238 野球を読む

[2020年12月15日]

ID:789

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野球を読む

中央図書館 小森信祐

 

私は小さいころから野球が好きで、今も野球を続けている傍ら、野球に関する本もいくつか読んできました。

10代の頃は野球マンガや野球雑誌に夢中になり、就職してからは守備や打撃の技法やトレーニング方法など、技術面に関する本を読んできましたが、最近は訳あって、プロ野球の監督コーチ経験者の書いた本を手に取るようになりました。

指導者として実績を上げた方々の本を読んで思うのは、名将、名コーチと呼ばれた人たちの選手の育て方やチームづくりの手法は、野球に限らず他のスポーツや、職場などあらゆる組織に通ずるものがあるのではないか。そう考えると、もっと色んな野球人の本を読んでみたいと思うようになりました。

そんな中、たまたま4月から中央図書館勤務となったので、図書館で出会ったちょっと古い野球の本を紹介したいと思います。


『根本陸夫伝』

『根本陸夫伝』(別ウインドウで開く) 高橋 安幸/著 集英社 2016年9月


私が根本陸夫氏を知ったのは1992年。当時の福岡ダイエー(現ソフトバンク)ホークスの監督に就任したときでした。ホークスファンだった高校生の私には「この人誰?」から始まり、大型トレードで有名選手を獲得する一方、応援していた主力選手が他球団に移籍し、何か違うチームになっていってしまうような複雑な思いをしたものでした。

ホークスは根本氏が監督の2年間は低迷しましたが、その翌年に王貞治氏が監督に就任してから5年後の1999年にリーグ優勝と日本一に。そして今では圧倒的な戦力をもって常勝軍団となり、今年の日本シリーズでは巨人に4連勝し日本一となりました。

根本氏は現役選手としての年数は短かったものの、1957年に引退後にスカウトとして全国各地を回って人脈を築き、広島、クラウンライター(のちの西武)、ダイエーの監督に就任時にはチーム編成にも関わりました。そして西武、ダイエーでは実質のGM(ゼネラルマネージャー)としてチーム強化を図り、有望選手を口説いてドラフトやトレードで獲得するなど「球界の寝業師」の異名を取り、各チームの黄金時代の基礎を築き上げました。

この本は、そんな根本氏の人づくりチームづくりの手法や当時のエピソードについて、当時の球界関係者や「オヤジ」と慕った元選手たちの証言をまとめたものになります。


『野村「ID」野球と落合「オレ流」野球』

『野村「ID」野球と落合「オレ流」野球』(別ウインドウで開く) 川崎 憲次郎/著 ロングセラーズ 2012年12月


言わずと知れた名将、ヤクルトスワローズでリーグ優勝4回日本一3回を成し遂げた野村克也氏と、中日ドラゴンズでリーグ優勝4回日本一1回を成し遂げた落合博満氏。当然、両氏の著書も多数出版されていますが、ここでは選手目線で名将を語っている本を紹介します。

 川崎憲次郎氏はヤクルト時代には野村氏のもと投手陣の柱として活躍を続け、1998年には沢村賞を受賞しました。2000年に中日に移籍後は右肩痛で3年間登板できない中、落合氏が監督に就任した2004年に開幕投手に抜擢され、その年に引退をしました。両氏のもとで指導を受けプレーをしてきた川崎氏が、自身やほかの選手のエピソードを交えながら当時を語り、両氏への思いを綴っています。

表向きには、マスコミを通して自軍の選手への苦言を呈する野村氏、マスコミに情報を漏らさない落合氏。当時、個人的には選手たちは監督のことをどう思っているんだろうと気になっていましたが、実際は「人のために」「選手たちを勝たせてあげたい」という思いに溢れた両氏のもとで、勝利を目指してチーム一丸となって戦っていた事が、この本を読むと容易に想像できます。


『野球を学問する』

『野球を学問する』(別ウインドウで開く) 桑田 真澄/著 平田 竹男/著 新潮社 2010年3月


桑田真澄氏は巨人のエースとして活躍し、メジャーリーグのピッツバーグ・パイレーツに移籍して引退後、早稲田大学大学院スポーツ科学科へ入学しました。

昨今、野球人気の低下、野球人口の減少などが言われ続けている中、桑田氏は体罰や長時間練習など野球界における悪しき伝統を問題視しています。大学院ではその悪しき伝統の根幹にある「根性野球」のルーツを調べ、プロ野球選手へのアンケート調査を行い、「『野球道』の再定義による日本野球界のさらなる発展策に関する研究」という修士論文をまとめました。

この本は、桑田氏の大学院での研究の日々や日本の野球界に対する思いを中心に、大学院の担当教授であった平田竹男氏との対談形式により進められていきます。


よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。


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