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よむとす No.234 さんぽ

[2020年10月15日]

ID:777

さんぽ

鼎図書館 林 聖子

 

天気の良い日は散歩をするようにしています。

散歩をさまざまな視点から見た3冊をご紹介します。


『ウォーキングの科学』

『ウォーキングの科学』(別ウインドウで開く)

能勢 博/著 講談社 2019年10月


社会人になって早何年…。仕事をする前は徒歩や自転車が移動手段だったのに、いざ車を手に入れるとその便利さに甘んじてすぐ車に頼ってしまいます。ふと最近、意識しないとなかなか歩かないな、と気がつき、日頃の運動不足解消も兼ねて散歩を始めました。せっかくならダラダラと歩くのではなく、健康に良さそうな歩き方を心がけようと思ってこの本を手に取りました。

この本では主に「インターバル速足」について取り上げています。「インターバル速足」とは、早歩きとゆっくり歩きを時間を決めて交互に行う歩き方です。著者によると、体力向上や生活習慣病などが改善されたという結果が出ているそうです。実際に私も試してみましたが、歩いた後にスッとした感じがして、すがすがしい気持ちになりました。みなさんも陽気がいい日に試してみてはいかがでしょうか。


『東京のかわいい看板建築さんぽ』

『東京のかわいい看板建築さんぽ』(別ウインドウで開く)

宮下 潤也/著 エクスナレッジ 2020年2月


この本に取り上げられている看板建築とは、大正12年に起きた関東大震災の後に建てられた木造家屋で、建物の一面が銅板やモルタルといった不燃材料で覆われた建物を指します。紹介されている建物の写真を見るとどれも西洋建築風や日本の伝統文様などの凝った装飾が施されていて、当時の建主や職人のこだわりが随所に表れているのが見て取れます。また、紹介されている建物は現在も店舗などに使用されているようなので驚きです。

実際に散歩をしてこのような建物を探してみると楽しいですが、天気が悪くて散歩ができない日でも、この本を読むと散歩した気分を味わえるのではないでしょうか。


『ほじくりストリートビュー』

『ほじくりストリートビュー』(別ウインドウで開く)

能町 みね子/著 交通新聞社 2017年6月


私は散歩をしていると、「この道はどこに続いているんだろう…。気になる。」ということがたまにありますが、どこに続いているのか全く見当がつかないため、いつも行けず終いになっています。

この本では著者が地図上で気になった場所を実際に訪れて、その道がどうなっていたのかを写真やイラストなどで分かりやすく紹介しています。例えば、道が記されていないのに住宅が密集している場所を地図で見た著者は、空き地に不規則に家が建っているのかもしれないと予測し、現地へ向かってみるも、ほとんどの家屋が解体されていてかつての面影が分からなくなっていた。1つの道から何本も枝分かれしている路地が全て行き止まりと地図に記載されている場所に著者が行ってみると、何かを探し求めて何人かの人がキョロキョロ歩いていた…等、さまざまな道や景観が紹介されています。

普段、私だったら地図を見ていても見過ごしてしまいそうな道を地図から見つける著者の目の付けどころと、実際に現地へ行って様子を確かめる行動力に驚きました。

地図を見て気になる道を目指して現地に行ってみるのも、また違った散歩の楽しみ方のひとつですね。


よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。