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よむとす No.232 おいしいおはなし

[2020年9月15日]

ID:774

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おいしいおはなし

上郷図書館 小原 文香

 

憂鬱な気分のとき、おいしいものをたくさん食べたら気が晴れた。給食がカレーライスや揚げパンの日は、学校に行くのが楽しみだ。会話が弾まないとき、おいしい料理店やコンビニスイーツの話題で盛り上がった。こんな経験はありませんか。

私は、日々おいしいものに助けられて生きています。今回は「おいしいもの」の出てくる本を紹介します。


『チキンスープ・ライスいり』

『チキンスープ・ライスいり』(別ウインドウで開く)

モーリス・センダック/さく じんぐう てるお/やく 冨山房 1986年8月

1冊目は絵本です。表紙には“12のつきのほん”と書かれており、男の子がそれぞれの月にちなんで「チキンスープ・ライスいり」の魅力を表現しています。最初から最後までテンポがよい素敵な訳で、声に出して読みたくなります。1月はスケートを滑りながら、2月は雪だるまの誕生日に、「チキンスープ・ライスいり」を楽しみます。月によっては予想外な紹介のしかたをしているのですが、何をしていても大好きな「チキンスープ・ライスいり」のことを思い浮かべてしまう様子に、思わず笑顔になります。レシピや味の説明はなく、どんなおいしい食べ物だろうと想像が膨らみます。


『ランチのアッコちゃん』

『ランチのアッコちゃん』(別ウインドウで開く)

柚木 麻子/著 双葉社 2013年4月


「来週一週間、私のお弁当を作ってくれない?」と、失恋して落ち込む派遣社員の主人公に声をかけてきた「アッコちゃん」こと黒川敦子部長。断れない性格の主人公は、お弁当作りを引き受けてしまいます。アッコちゃんの一週間の日替わりランチと交換という条件で引き受けることになったのですが、アッコちゃんのランチは、ランニング? 店番? 面談? 一週間のランチ交換で、近寄りがたかったアッコちゃんのイメージはがらりと変わります。

主人公がアッコちゃんに感化されて世界を広げていく様子が単純で可愛らしく、前向きな気持ちになる小説です。展開がスピーディで、一気に読めます。私はこの本の中に出てくるポトフが食べたくてたまりません。

続編に『3時のアッコちゃん』『幹事のアッコちゃん』があります。


『おいしくて泣くとき』

『おいしくて泣くとき』(別ウインドウで開く)

森沢 明夫/著 角川春樹事務所 2020年6月


幼馴染で同級生の心也と夕花。心也は母を亡くし、父が営む食堂では「こども飯」と称して貧しい家庭の子どもたちに食事を振る舞っています。夕花は貧しい家庭で、弟と一緒に「こども飯」を利用しています。二人は高校の新聞委員を押し付けられたことで距離を縮めます。

学校で“偽善者のムスコ”と机に落書きをされ、父の「こども飯」の活動に疑問を感じる心也。学校ではいじめに遭い、家では義父からの暴力を受ける夕花。ある事件に巻き込まれた二人は、遠い海辺の町へ逃げ出します。二人の葛藤と成長、大人たちの想いに胸を打たれる小説です。ラストで目頭が熱くなります。

この物語では、生きる活力をくれた料理が描かれています。大変なときも、楽しいときも、おいしいものはおいしい。

みなさんにも、忘れられない特別な味はありますか。


よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。


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