中央図書館 杉本 敏子
今年は子年(ねどし)ねずみ年です。
実生活ではもう長いことその姿を見かけていませんが、本の中では『ぐりとぐら』(別ウインドウで開く)の野ねずみのぐりとぐらや『冒険者たち』(別ウインドウで開く)のどぶねずみのガンバなどたくさんのねずみが出てきます。今回はねずみの出てくる本を紹介します。
書名の『リンドバーグ』は1927年に世界で初めて大西洋単独無着陸飛行に成功したアメリカの飛行士チャールズ・リンドバーグのことです。表紙に描かれているのはリンドバーグの飛行機スピリット・オブ・セントルイスの機首です。
主人公はハンブルクに住む一匹の知りたがりやの小ネズミです。小ネズミは図書館で人間の本を読むのが好きでした。ある日気が付くと周りには仲間がいなくなっていました。原因は新聞記事によるとバネ式ネズミ捕り。小ネズミはバネ式ネズミ捕りを恐れた仲間が逃げていったと思われるアメリカをめざし、そのために考えついたのは飛行機で大西洋を渡るという方法でした。何度も失敗を繰り返し、ネコやフクロウの妨害にも遭って一筋縄ではいきません。それでも小ネズミはあきらめず、最後にはこの挑戦は成功するのです。
絵だけのページも多く、こちらの想像力を掻き立てます。煙突に止まって小ネズミを見張るフクロウ、小ネズミが機上から見たニューヨークの街など全体にセピア色の絵が美しい絵本です。
ネズミの冒険シリーズは『アームストロング』(別ウインドウで開く)と『エジソン』(別ウインドウで開く)が出版されています。
カピバラは世界最大のねずみの仲間です。
この本はブラジルのパンタナール大湿原で撮影された野生のカピバラの写真集です。カピバラが群れで水辺で過ごす様子や一生懸命に草を食む姿は、ほっこりして癒し系として愛されているカピバラそのものです。しかし、ジャガーなどの危険を察知すると俊敏に動き野生ゆえの別の一面も見せています。
私の一押しは母親が赤ちゃんカピバラを背中に乗せたまま川を渡っている写真です。
カピバラのしぐさや表情を見ているうちに思わず頬が緩みます。疲れている方にお勧めの癒し本です。
「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。
飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。