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よむとす No.215 一日一日を大切に

[2020年1月1日]

ID:720

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一日一日を大切に

中央図書館 森山 ゆり

 

先日、 『このあいだになにがあった?』(別ウインドウで開く) (佐藤 雅彦/著 福音館書店)という「かがくのとも」シリーズの本を息子と一緒に見ていた時のことです。羊が毛刈りをしてすっきりした羊になった写真を見て、「羊がヤギになったね。」と本気で言った息子。大笑いしたいところをグッとこらえて「ヤギに見えたんだね。」と共感し、「これは毛刈りをして、羊の毛がなくなっただけだから、羊のままなんだよ。」と話しました。その後、一緒に笑い合って本を見ました。そんな風に子どもと何気ない時間を過ごせることが、とても幸せだと改めて感じたひとときでした。

そんな日常の中のささやかな幸せを感じられる本を紹介したいと思います。



『たんぽぽの日々』

『たんぽぽの日々』(別ウインドウで開く)

俵 万智/著 市橋 織江/写真 小学館 2010年3月


歌人である俵万智さんが、子育てをする日々の中で「心のシャッターを切るように書いてきた」という作品。俵さんの息子さんが小学生になるまでの子育てに関する短歌と、その短歌の背景となる日常を綴ったエッセイ集です。

私自身も今までの子育てを振り返りながら読む中で、心にしみる言葉が沢山ありました。これから子育てをする方にも、まさに今奮闘中の方も、もうお子さんが大きくなられた方にも是非読んで頂きたい一冊です。優しくてあたたかいものが心の中に入ってきます。

私の心に響いた歌を紹介します。

 

自分の時間 ほしくないかと問われれば 自分の時間をこの子と過ごす

たんぽぽの 綿毛を吹いて見せてやる いつかおまえも飛んでゆくから


『毎日っていいな』

『毎日っていいな』(別ウインドウで開く)

吉本 ばなな/著 毎日新聞出版 2017年2月


大好きな風景、友だちとのおしゃべり、亡き両親との思い出、旅先での出来事などなど、著者が普段の生活を書いたエッセイです。

中でも、「通じた思い」というエピソードが印象的でした。10年前から飼っている猫(今はおじいちゃん猫)が、なついているものの夜寝る時だけは旦那さんの所でしか寝ず、ちょっと距離を感じていた著者。ある日ふとおじいちゃん猫に、飼い始めた頃のことを振り返りながら思いを伝えたところ、なんとその3日後から、一緒に寝てくれるようになったという話です。著者が話をしたことで、気持ちが伝わったことにすごいっ!と思ったのと同時に、心が通じ合ったのだろうなぁと感じ嬉しくなりました。

他にも、それぞれの話に頷いたり、思わずぷぷっと笑ってしまったりと興味深い話ばかりです。そして、どんな日でも何があっても毎日はやってきて、これでいいんだ、毎日の積み重ねがいいんだと思えるそんな素敵なエッセイです。


『モグラくんとセミのこくん』

『モグラくんとセミのこくん』(別ウインドウで開く)

ふくざわ ゆみこ/著 福音館書店 2011年6月


この絵本は、私が大好きな絵本の1つです。夏のお話ですが、絵本の中には、春夏秋冬が描かれています。

土の中で、モグラくんとセミのこくん(セミの幼虫)が出会い、モグラくんの家で仲良くたんぽぽのお茶を飲みます。そして2人(?)で楽しい日々を過ごします。春にはたんぽぽの根っこの陰で追いかけっこをしたり、秋にはさつまいもでごちそうをつくったり。でも、セミのこくんがいよいよセミになる時がやってきます。ずっと一緒にいたい2人ですが・・・。

後半は、セミのこくんの背中にヒビが入り、モグラくんがセミのこくんとのお別れを感じる場面がありますが、「ここがすきだから、ずっと土の中にいるよ」と答えるセミのこくんに切なくなり、なんともいえない気持ちになります。私は読んでいると毎回胸が熱くなり、ウルッときてしまいます。モグラくんが最後に、いつものようにたんぽぽのお茶を飲むその表情も私は好きです。 

友情にほっこりする、心あたたまるお話で、親子一緒に読んでも、もちろん大人の方にも楽しんでもらえる絵本です。


よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。


よむとす No.215 一日一日を大切にへの別ルート