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よむとす No.212 支え合い・助け合い

[2019年11月15日]

ID:709

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支え合い・助け合い

中央図書館 坂 元香

 

先日、台風19号の被災地にボランティアに行ってきました。実際の被災地は想像するより衝撃的でした。そして、たくさんの人が全国から集まり、被災した方たちを少しでも助けようと活動している姿が印象的でした。

ボランティアについて調べてみると活動の幅は広く、今回のように災害が起こった時に被災地内外での活動、国際的な支援、お年寄りや障害をもっている方への支援、子どもを見守る活動などなど…。今回はそんなボランティアに関する本を紹介します。


『新版 災害ボランティア入門』

『新版 災害ボランティア入門』(別ウインドウで開く)

ピースボート災害ボランティアセンター/編 合同出版 2019年7月



私は今回の台風で初めて災害ボランティアに参加しました。初めてだったこともあり、持っていく物、現地に着いたら何をするのか、被災地の状況などわからないことだらけで、行くと決めたものの本当に大丈夫なのか不安になりました。きちんと調べようと思って手に取ったのがこの本です。編者が国内外の被災地で試行錯誤を重ね蓄積してきたボランティア活動のノウハウがまとめられています。イラストや実際の写真を使って、持ち物や活動するときの注意事項、心構えや詳しい活動内容など役立つ情報がたくさんありました。実際は、臨機応変に動かなければならない場面が多かったですが、行く前の心の準備をするには必要な知識を得ることができます。


『幸せを届けるボランティア 不幸を招くボランティア』

私がこの本が気になったのは、「不幸を招くボランティア」とはどういうことなのかというところからでした。読み進めてみると、「ボランティア」は本来自発的に行うものだが、やりたくないのにやらされてしまったり、支援する側される側がボランティアに依存しすぎてしまっていたり・・・。ボランティア活動に対する誤解や勘違いが不幸を生んでしまっていることもあること、こうしたらもっと幸せになるんじゃないかなという作者の考えがわかります。中高生向けに書かれた本で、作者がフランクに話しかけてきているような文章で書かれているので、テーマは重いけれど読みやすいです。

テーマ別の取り組みやすい活動ガイドがあり、少し意識すれば日常の中でも簡単にできる「ボランティア」が紹介されています。もうすでに何かに取り組んでいる方にも、これから何か始めようとしている方にも発見がある一冊です。


『こんな夜更けにバナナかよ』『なぜ人と人は支え合うのか』

『こんな夜更けにバナナかよ』(別ウインドウで開く)

渡辺一史/著 北海道新聞社 2003年3月

『なぜ人と人は支え合うのか』(別ウインドウで開く)

渡辺一史/著 筑摩書房 2018年12月



『こんな夜更けにバナナかよ』という映画をご存知ですか?筋ジストロフィーを患う重度身体障害のある方を24時間体制で支えるボランティアを描いたノンフィクション映画です。その原作本と同じ作者の『なぜ人と人は支え合うのか』は、作者が障害者やボランティアとの多くの出会い、交流、ぶつかり合いの経験から、障害やそれを支える福祉について考えた本です。たくさんのボランティアや専門家、障がいを持つ方が登場し、それぞれの事例から障害に対する社会との溝や、福祉についての議論に展開していきます。

タイトルに魅かれた私が印象に残っているのはやはり実際の現場でのエピソードです。『こんな夜更けにバナナかよ』の主人公である鹿野さんとボランティアさんの話です。専業主婦のボランティアさんは、旦那さんの愚痴を鹿野さんに聞いてもらい、鹿野さんに「それは大変でしたねぇ」「もっと前向きに生きましょうよ!人生は一度きりじゃないですか!」と励まされて涙を流していたそうです。この関係を支える側と支えられる側が逆転したと作者は言っています。――人は「支える」ことによって、逆に「支えられている」のです。

決して綺麗ごとだけではすまない世界を通して「なぜ人と人は支え合うのか」の答えを探してみませんか。


よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。


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