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よむとす No.171 言葉はいらない

[2018年3月1日]

ID:513

言葉はいらない

中央図書館 浅井 日美子 

 「女の友情 紙より薄い」なんて身もふたもない言われ方をする反面、男同士の友情は固い、厚い、揺るぎないというイメージがあるのはなぜでしょう?
友情とは、性別に関係なくかけがえのないすばらしいもののはず。
女同士の友情をややこしくしているのは、必要以上にしゃべらない男たちに比べて言葉が多すぎるから?言葉ではなく態度で互いへの信頼をしめす男同士の友情本です。


『見仏記ガイドブック 』

『見仏記ガイドブック』(別ウインドウで開く)

いとうせいこう・みうらじゅん/著  株式会社KADOKAWA  2012年10月

昨年、運慶展を見てからすっかり運慶仏に魅了されている私の寺巡りの師匠、いとうせいこう氏とみうらじゅん氏による「見仏」の記録です。
ありがたい仏像の前での自由すぎる二人の掛け合いは笑わせてくれて、気づかせてくれて、時には(意外にも)ほろっとさせてくれます。
東寺の月光菩薩にジンジンしてしまい照れているせいこうさんのそばを何も言わずそっと離れるみうらさん。(ジンジンの説明は…省きます)
仏像のいる空間を独特のセンスで表現するみうらさんの感性を理解し、リズムよく呼応するせいこうさん。そのベストパートナーぶりが、研究ではなく印象で仏像を見ることの楽しさに駆り立ててくれます。
「見仏豆知識」「見仏旅持ち物リスト」「イケ住にきいてみた」など、二人からのサービス情報も満載。さあ!気の合う友人と見仏の旅に出かけましょう!
この「見仏記」はシリーズとなっており、飯田市立図書館では8冊所蔵していますのでご利用ください。


『特捜部Q 檻の中の女』

『特捜部Q 檻の中の女』(別ウインドウで開く)

ユッシ・エーズラ・オールスン/著  吉田奈保子/訳  早川書房  2012年10月

北欧の美しい町コペンハーゲンで起こる猟奇的な事件に立ち向かう刑事とその助手が主人公の警察小説です。
コペンハーゲン警察の警部補カールは強引で協調性がなく、殺人捜査課の鼻つまみ者。
部下ふたりとともに銃撃を受け、一人を失い一人が半身不随となってからは仕事への意欲を失い、体よく地下の新設部署「特捜部Q」に追いやられてしまいます。そこに助手として雇われたのは、シリア系のアサド。しかも刑事ではなく一般人!
そんな変人ふたりだけの「特捜部Q」の使命は、未解決事件の再捜査。無鉄砲なカールをリードしたり援護したりと、意外にも有能なアサドのおかげで、徐々に仕事への情熱を取り戻すカール。ふたりは新事実を掘り起こし事件の真相に近づいていくのですが…。
カールとアサドが寄り添う被害者たちの人生の重みと、二人が背負っているそれぞれの複雑さがスピード感のある警察小説に厚みをもたせていて、胸に迫る結末まで一気に読まずにはいられません。
「特捜部Q」もシリーズ7巻まで出版されています。飯田市立図書館にはすべてそろっております。映画化もされています。観てから読んでも、読んでから観ても楽しめます。


「女の友情」については次回といたします。


よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。