ページの先頭です
メニューの終端です。

よむとす No.158 寿命

[2017年8月15日]

ID:422

ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます

寿命

中央図書館 瀧本 明子

明治の頃には43歳、戦後昭和22年には52歳だった日本人の平均寿命は、たった数十年のうちに急激に伸びて、今や男性は80歳を超え、女性は85歳を超えています。生きているものにも、いきていないモノにもある「寿命」、それはどういうものなのでしょうか。

『人間にとって寿命とはなにか』

『人間にとって寿命とはなにか』(別ウインドウで開く)

本川達雄/著  株式会社KADOKAWA  2016年1月

当時大学教授、ナマコの生物学が専門のこの本の著者を知ったのは、『ゾウの時間ネズミの時間』(別ウインドウで開く)という本を読んだときでした。例えばネズミは0.1秒に1回、ゾウは3秒に1回心臓がドキンというが、一生のうちに心臓が脈打つ回数はどちらも同じ。哺乳類はそれぞれサイズや寿命が違うがおおよそ皆一生に20億回で寿命がくる、そして一生で使うエネルギーもほぼ同じ、というもので、「へええそうなんだ」と大層びっくりしたのでした。
この本では、その生物の時間に加え、「社会の時間」について掘り下げて、いや主張していると言った方が良いでしょう。技術も進歩し、さまざまなことが便利にもなり、社会全体がどんどんスピードが速くなっている。車やコンピュータなどの時間加速装置を駆使して速い時間を作り出している。それには莫大なエネルギーを必要としていて、地球温暖化や生物多様性、さらには教育や高齢者の問題もここから生まれている。
生物としての体の時間はもっとゆっくりで、それとかけはなれた早い時間を作り出していることについてもっと考えようよと。生物学者の視点で、違う角度からものの見方をしてみませんかといっています。
寿命についての本だと思って読み始めた本は、寿命のある人生をどう生きるか、という本でした。


『寿命図鑑 生き物から宇宙まで万物の寿命をあつめた図鑑』

『寿命図鑑 生き物から宇宙まで万物の寿命をあつめた図鑑』(別ウインドウで開く)

いろは出版/編著  やまぐちかおり/絵  いろは出版  2016年8月

こちらはまさに「寿命」の本です。動物、昆虫、植物といった生物の寿命ばかりでなく、食べ物や機械、建築物、天体など総数324の寿命を、親しみやすいイラストに解説を加えて紹介しています。
「鶴は千年亀は万年」という言葉、『ゾウの時間ネズミの時間』を読んだときは「本当かもしれない」と思ったのですが、本当ではないようです。サンゴは数世紀も生きる、とか力士のまわしは汚れても洗わず1年使う、電車の忘れ物は3ケ月なんてものもあります。
疑問に思ったのは生き物の寿命のイラスト、涙を流しているものといないものがありますが、理由があるのでしょうか、わかった方教えてください。
ちょっとかわった面白い本を出版しているいろは出版ですが、この本を「みんな、いつか、死んでしまう、ということを知って一生懸命生きていってほしい」そんな思いをこめて作ったそうです。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。


よむとす No.158 寿命への別ルート