中央図書館 北原 朋弥
毎日食べても飽きない食べ物、みなさんにはありますか?
いつからかカレーの虜となり、カレー好きが高じてインドへ足を運び、日本のそれとの違いに驚きました。デリーのホテルで食べたダール〈豆〉カレー。寝台列車で食べたサモサ。頬が落ちるかと思ったジャイプールのバターチキン。粗末な屋台の不愛想なおばちゃんが淹れてくれた、とびきり甘いチャイ。インド人も常におなかが緩い、と言われるほどスパイスの効いたカレーを恐る恐る口にしては、その美味しさに感動しました。
一口にカレーと言っても、世界はさておき日本でもさまざまな味があります。夏を乗り切るのにもぴったりなカレー。知っているようで知らないカレーの世界へようこそ。
『カレー語辞典 カレーにまつわる言葉をイラストと豆知識でピリリと読み解く』(別ウインドウで開く)
オカタオカ/絵 加来 翔太郎/慣習 成文堂新光社 2016年8月
カレーの歴史から世界のカレー事情、スパイスの基礎知識や薬膳効果、アーユルヴェーダなど、カレーにまつわる言葉を辞典形式にまとめ、あらゆる角度から紐解いた一冊。写真や、オカタオカ氏のユーモアあふれるかわいいイラストをふんだんに交え、子どもから大人まで、眺めるだけでも楽しめます。
カルダモンやターメリックといったおなじみのスパイス、お茶碗カレー(小・中学生のおやつ代わりにもぴったりなんだとか)や、タレントのタモリさん特製タモリカレーなど、個性いっぱいのカレー語が登場し、豆知識に思わずくすりと笑えることも。カレーと一緒に楽しみたい、インドのミルクティー・マサラチャイやラッシー、タンドリーチキンなどのサイドメニューも掲載。単語の横には、その料理が食べられている主な国の国旗が付いていて、意外な国も混じっていたり・・・。
今やキャンプの定番メニューにもなっていて、小学生でも作ることができるカレー。お手軽なのにどこまでも「深い」カレーの世界をご覧あれ。
『つながるカレー コミュニケーションを「味わう」場所をつくる』(別ウインドウで開く)
加藤 文俊/著 木村 健世/著 木村 亜維子/著 フィルムアート社 2014年07月
全国のまちを巡りながらカレーをつくる、「カレーキャラバン」。「ルーは使わない」「食材は現地調達」というルールだけ決め、著者たちはだいたい一か月に一回のペースで、どこかのまちに赴き、まちなかで鍋を炊いてカレーをつくります。できあがるカレーは一度かぎり。著者たちの自腹を切って「赤字モデル」で提供されるカレーは、まちの人びとに無料で配られます。場所が変わればカレーの味も変わり、鍋を囲む顔ぶれももちろん変わります。
「カレーづくりは、まちを知る手がかりになる」と著者。鍋を炊いていると、道行く人が覗き込んではいろいろとコメントを残していきます。鍋の混ぜ方を実演してくれる人、自由な発想で食材の提案をする小学生。キャラバンとまちの人びとだけでなく、カレーを待つ行列の間でまちの人どうしのコミュニケーションが生まれ、「居心地のいい場所」がカレーとともにできあがる―。
彼らはきっと、きょうもどこかで、カレーをつくっています。
「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。
飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。