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よむとす No.102 人を撮るということ 2015年04月01日

[2017年6月20日]

ID:187

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人を撮るということ

中央図書館 田中 瑞絵

みなさんは、どんな時に写真を撮りますか?家族の記録、出会った人、物、風景など、いつまでも記憶に留めておきたい人や出来事に出合った時、私達はカメラのシャッターを切るのではないでしょうか。多くの言葉を尽くすよりも、たった一枚の写真がより多くの事を物語るという事もあります。
今回は、そんな写真に関する本をご紹介します。

『名人 日本各地の名人に会いに行く!名人体験・写真集』

独自の視点で日常にあふれる光景を写し撮る写真家梅佳代さんが、日本各地の名人を訪ねて、その技を体験するという本です。総勢29名の名人達は、飴細工や伝統工芸、フラメンコにガーデニング、海女さんや男子新体操部などなど、ジャンルも年齢もさまざまです。独自の視点を持つ著者のこと、名人達の姿を撮るだけなく、道中に出会ったさまざまな人や風景の写真も満載です。中には、名人と一体何の関係が?と思ってしまうような写真も…。しかし、どの写真も生き生きとして楽しげです。
著者は「写真界の芥川賞」と呼ばれる「木村伊兵衛写真賞」も受賞している写真家です。「名人」を撮るその人もまた「名人」なのです。

『あらびるでな 遠山郷霜月祭』

国の重要無形民俗文化財に指定される「遠山の霜月祭」を、遠山郷出身の写真家である著者が20年にわたり撮り続けた、その集大成ともいえる写真集です。美しい遠山谷の風景、生き生きとした人々の表情、まるで眼前で祭りをみているかのような迫力ある写真の数々。子供から大人まで、遠山郷に生きる全ての人々が、この祭りと共に生きている事を感じずにはいられません。霜月祭をただ見ることしかできない私にとっては、この祭りに従事することのできる里人達がうらやましくさえ思えます。
あとがきで著者は、この祭りを撮り続ける事は遠山谷に生まれた自分の使命だと言い、自身にとっての霜月祭の解釈は「覚悟」だと書いています。この写真集からは、確かに、著者の「覚悟」が伝わってきます。

『好奇心ガール、いま97歳』

日本人初の女性報道写真家として知られる、笹本恒子さん。「報道写真家」という新鮮な響きと、日本にはまだ女性の報道写真家がいないという言葉を聞いて、それならばとカメラの知識もないまま報道写真家の道へと飛び込みました。まだ、女性が男性と同じように仕事をする事すら少なかった時代、さまざまな困難を持ち前の好奇心と行動力で乗り越え、多くの事件や著名人を撮影してきました。この本の出版が2011年ですから、現在、笹本さんはなんと100歳。関東大震災を体験しているといいますから、驚きです。昨年秋には100歳展を開催するなど、まだまだ現役写真家として活躍中です。
この本では、報道写真家となったいきさつや、これまでの波乱万丈な人生を振り返りつつ、仕事観、恋愛観、そしていつまでも若々しく元気に生きる秘訣などが綴られています。
写真集『恒子の昭和―日本人初の女性報道写真家が撮影した人と出来事―』(別ウインドウで開く)もあわせてどうぞ。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。