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よむとす No.105 ちょっと気になる他人のお仕事 2015年05月15日

[2017年6月20日]

ID:184

ちょっと気になる他人のお仕事

鼎図書館 北原朋弥

新年度になって早1月半――。新社会人の方も、ベテランの方も、年度初めの慌ただしく、バタバタした感じから少しずつ抜け出せているころではないでしょうか。そんなちょっと心にも余裕が出てくるころ、他人のお仕事、気になりませんか?実際にその職に就かない限りなかなか体験はできませんが、本ならお手軽に追体験できちゃいます。あこがれていた職業や、「名前は聞いたことあるけど……」という仕事。ちょっと覗いてみると、新たな発見があるかもしれません。

『和菓子のアン』

就きたい仕事も学びたいこともなく、なんとなく高校を卒業してしまった梅本杏子。「このままじゃニートだ!」と一念発起し、デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めます。プロフェッショナルだけど個性的な同僚と、鮮やかで遊び心のある和菓子に囲まれた日々。そんな中、「腹切り」だの「半殺し」だの物騒な発言をするお客さんが現れ、隣の洋菓子店の店員が「兄です」と言ってケーキの箱を持ち帰る――。謎めいた言動の真相は……?
読んでいて気になる和菓子が出てきたら、中山圭子著『事典 和菓子の世界』(別ウインドウで開く)(岩波書店、2006年)をはじめ、和菓子に関する本も併せてどうぞ。

『展覧会いまだ準備中』

東京郊外の公立美術館に勤める今田弾吉は、学生時代、応援団に在籍していたというちょっと変わり種学芸員。美術館で働きたいという人たちを押しのけ、念願の職に就けたのに、職場では一番下っ端。一風変わった先輩たちにこき使われ、目の前の仕事に追われる日々を送っています。自ら企画した美術展の実現なんて遠い夢。しかし、美術品専門運送会社の美人社員・サクラとの出会いと、一枚の絵の鑑定依頼が弾吉の心にスイッチを入れます。
「学芸員って聞いたことあるけど、どんなことしているのか知らない」という方も、読んだらきっと「展示会の向こう側」が見えてくるはず。

『ミッキーマウスの憂鬱』

舞台は、知らない者はいない超巨大テーマパーク・東京ディズニーランド。夢を与える仕事にあこがれ、バイトとして働くことになった21歳の後藤大輔。表舞台〈オンステージ〉での仕事を希望するものの、アトラクションのガイドはぼろぼろ、ミッキーとミニーを「着ぐるみ」呼ばわりし、配属先は裏方〈バックステージ〉。不満たらたらな後藤は、しかし、同じ裏方同士の友情や開園以来最大のトラブルなど、さまざまな出来事を通じ、やがて裏方の意義や誇りに目覚めていきます。
インパークだけでは決して見えてこない〈バックステージ〉の世界を、あなたもちょっと覗いてみませんか?ゲストの夢を支えるキャストという仕事に興味が出てきたら、『東京ディズニーリゾートキャストの仕事』(別ウインドウで開く)(講談社、2015年)という本もおすすめです。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。