中央図書館 熊谷寿志
“県民性”。その言葉を聞いてみなさんは何を思い浮かべますか?
私は大学を出るまで神奈川県で暮らしていました。両親は飯田の出身ですが、今回これを書くにあたり、自分の性格は神奈川と長野の県民性どちらに似通っているのだろうかと、いろいろ考えてみましたが、結局よくわかりませんでした。
今回はそれぞれ都道府県の“県民性”が、全国のいろんな地域に住んでいる人々からどう思われているのか、またそれを基にした“県民性”のさまざまなランキングが載っている本を紹介します。
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もぐら/著 飛鳥新社 2010年1月~(以下続刊)
各都道府県を擬人化し、その県民性をもとにした性格のキャラクターが登場するまんがです。
神奈川県のキャラはいかにも横浜にいそうなおしゃれな男性で、東京へのあこがれが半端じゃないと書いてありました。これは素直に「あるな」と思いました。
一方長野県のキャラは眼鏡をかけ、いかにもキッチリとした感じのとても真面目そうな男性です。酒の席ではディベートをし、理論好きで理屈っぽいと紹介されていました。
皆さんの出身地に対するこの本のキャラへの受け止めは、読まれた方によって違うはずですので、ここから先についての感想等はご自身の判断にお任せします。
各都道府県で1人ずつなのかと思いきや、兵庫県だけはなぜか5人いるし、岐阜県はわらわらいっぱいいます。これは作者によると兵庫の場合、地域(摂津・丹波・播磨・但馬・淡路)が寄せ集められていて、この江戸時代までの旧国名毎の地域によって同じ県でも性格が違うからという事のようです。岐阜県についてはこれといった説明がありませんでした。それならここ長野県も盆地によって違うのではと感じたのですが、兵庫県と違い長野県は信濃国で一つだったからなと私なりに勝手に結論を出してみましたが、皆さんはどう思われるでしょうか?
他にもよさこいの歴史や、本州と四国の架橋(瀬戸大橋・明石海峡・しまなみ海道)建設の過程、地方病の対処の歴史と、1冊でいろいろ学べる本です。
なお、作者・もぐらさんが、各地の郷土料理を自分で実際に作ったレシピ本『県民ごはん、作ってみました!』(1)(別ウインドウで開く)、『県民ごはん、作ってみました!』(2)(別ウインドウで開く)も所蔵していますので、そちらもあわせてどうぞ。
『ケンミンまるごと大調査』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)
木原誠太郎+ディグラム・ラボ県民性研究会/著 文藝春秋 2013年3月
『長野のおきて ~ナガノを楽しむための51のおきて~』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)
長野県地位向上委員会/編 アース・スターエンターテインメント 2014年5月
長野県に暮らす人、特に生まれ育った方なら絶対「そうそう、これあった。」という声が聞こえてきそうなこちらの本。私が読むと「へぇ~」と思う事が書いてあります。構成には長野のローカル番組でおなじみの“こてつ”の2人が関わっています。
この本を読む前に飯田の人に対して個人的にすごいなぁと思ったのが、育った者なら誰もが県歌信濃の国を歌えること、記念行事的な席で万歳三唱をすることの2つがあります。
神奈川県生まれの私は、「光あらたに」という神奈川県歌がある事を大人になってから知りました。よって残念ながら歌うことはできません。自分の県の歴史や偉人、PRを「県歌」でできるという事は、正直羨ましいと思いました。
それから万歳三唱。個人的な思い込みですが、これをするのは「衆議院が解散する・選挙に当選する・その他大願成就した時」だけだと思っていたのですが、長野県ではこれに激励の意味もこもっているのか、酒宴や結婚式などでもするというのを聞いて、最初は「なぜこの場でそれをする?」と思い疑問符が頭の上に浮かびました。
その後某県民バラエティー番組で、長野県の人々は万歳三唱をよくするものだと知り、私だけが疑問に思った訳ではないことがわかりました。最後にこの話を我が家の祖父に聞いたところ、けんもほろろに「お前が知らないだけ。」と軽く言われてしまいました。
この記事を読んで他所に遊学という名の旅行に行きたくなったら、旅行のガイドブックも多数取り揃えております。長野県の夏休みは短いけれど、今年は9月に5連休もあります。
旅行前の下調べには、ぜひ図書館に来てください。お待ちしています。
「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。
飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。
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