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よむとす No.112 たまには詩にふれてみませんか 2015年09月01日

[2017年6月8日]

ID:172

たまには詩にふれてみませんか

中央図書館 遠山百合香

“詩”と聞くと、興味はあるけど取っつきにくいと思っている方も多いのではないでしょうか。詩は人の心に深く沁み込んできます。たまには詩を読んでみるのもいいものです。ふだん詩にふれる機会がない方も、図書館で沢山ある詩の中から心打たれる詩、楽しい詩、癒される詩、自分がいいなぁと思う素敵な詩をみつけてみてください。

『念ずれば花ひらく 詩集』

「念ずれば花ひらく」は、詩人である坂村真民さんの詩の一句です。私が中学生の時、恩師に教えていただいた言葉でした。どんなに絶望のふちに立たされても、一つの事を思い努力し続ければ、前向きに生きようとすれば、自ずから道は開けるという意味があるそうです。この詩集は坂村真民さんの数多い作品の中から、この「念ずれば花ひらく」や「二度とない人生だから」などの厳選された128篇の詩が収められていて、誰にでもわかる言葉で表現されているものが数多くあります。
将来の事など少し日常に疲れているとき、仕事や人間関係で悩んでいる人に、頑張ってみようという勇気を与えてくれる詩が沢山載っています。私も少々気が折れている時にこの詩集を読み、救われたような気がしました。
また、花から学ぶことが多くあるんだと思わせてくれる素敵な詩もあり、不思議と力が湧いてきます。

『よいしょ』

みなさんはどんな時に「よいしょ」と言いますか?立ち上がる時、押す時、何かやろうと気合を入れるとき・・・などでしょうか。この本は、主役が植物や動物や虫で、素敵な写真や迫力ある写真が載っていて、写真の中の生き物たちが話しかけてきてくれるような言葉でできたフォトポエム絵本です。
「種を一生懸命に引っ張るアリ」「石の下から芽を出したインゲンマメ」「すもうをとるクワガタ」「深く広がる根っこたち」。いろいろな生き物のいろいろな場面の頑張りが伝わってきます。つい心の中で「がんばれ、よいしょ」と応援してしまいます。この本を読めば、あなたの周りにいる沢山の生き物たちの「よいしょ」が聞こえてくるようになり、きっと一緒によいしょと言いたくなるでしょう。
工藤直子さんの作品には、生き物たちのささやきやつぶやきからできた『のはらうた』(別ウインドウで開く)があります。ご存知の方も多いのではないでしょうか。まるで自分ものはらの中にいるような気分にさせてくれる、生き物たちへの愛情が伝わる楽しい本ですので、こちらもぜひお薦めします。

『今日』

『今日』(別ウインドウで開く)は、今、赤ちゃんを育てている真っ最中のお母さんたちに紹介する詩です。この詩は、詠み人知らずの詩です。ニュージーランドの子育て支援施設から伝わった詩を、詩人の伊藤比呂美さんが日本語訳したものに、暖かい画が添えられています。
子育ては素晴らしいし、赤ちゃんと過ごす毎日はとても幸せです。でも、赤ちゃんの世話も家事も中途半端になってしまい、何もできない自分に悲しくなる時がありませんか。そんな子育てに行き詰った時や心の余裕をなくしてしまった時、この詩を読んでみてください。毎日赤ちゃんと奮闘していて本を読む時間なんてないと言う方でも、この詩は1分かからずに読めますので、赤ちゃんが寝た後に寝顔を見ながら読んでみてください。赤ちゃんと過ごした「今日」をきっと充実したものにしてくれるでしょう。この詩で、少しでも心癒していただければ私は嬉しく思います。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。