中央図書館 浅井 若菜
誰でも読んだことのある『童話』。数ある童話でも悪者側の話はあまり見かけないのではないでしょうか。今回は、その「悪者」側のお話を紹介します。
『三びきのコブタのほんとうの話』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)
ジョン・シェスカ/文 レイン・スミス/絵 いくしまさちこ/訳 岩波書店 1991年11月
誰もが知っているあの「三匹のコブタ」はコブタの視点から語られていますが、この本は悪者、オオカミの視点から語られるお話です。
「なんでおれが悪者になってしまったのかわからない」という言葉から始まるオオカミの言い分。コミカルな口調で語られるそれは、コブタ視点の話とはまったく違い『悪者オオカミ』ではなく、『おばあちゃん思いの優しい(?)オオカミ』みたいですが…。はたしてどちらの言い分が正しいのでしょうか?皆さんはどちらを信じますか?
『逃れの森の魔女』 詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)
ドナ・ジョー・ナポリ/著 金原瑞人・久慈美貴/共訳 青山出版社 2000年2月
こちらも有名なあの「ヘンゼルとグレーテル」の悪役、魔女のお話です。
物語は魔女が魔女になる前から始まります。ある村に住む醜い女、元は腕のいい産婆として生活していました。しかし、あることがきっかけで悪魔を操って病を治す魔術師に…。そして魔女になってしまった醜い女。なぜ彼女は悪魔の力を借りるようになってしまったのか。どうして魔女となり、深い森の奥にお菓子の家を建て暮らしていたのか。本当に悪い魔女になってしまったのでしょうか。
読み終わってみるとちょっと切なく感じてしまうお話です。
ちなみにこの本、品切れ重版未定だそうですので、ぜひ図書館で借りてみてください。
『へそまがり昔ばなし ロアルド・ダールコレクション12』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)
ロアルド・ダール/著 灰島かり/訳 評論社 2006年6月
この本はほかの二冊とは違って“悪者側の話”ではなく皆さんの知っている昔話です。でもただの昔話ではなく、本のタイトルにもあるようにへそまがりな昔話なんです。シンデレラはディスコに行き、白雪姫は競馬で大当たり!
どの話も本来の話とはだいぶ違いますが、おもしろいお話ばかりです。各話短めでテンポよく書かれているのでとても読みやすいです。
「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。
飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。
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