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よむとす No.85 映画になったおはなし 2014年07月15日

[2017年6月8日]

ID:159

映画になったおはなし

中央図書館 瀧本明子

あなたは、映画を観てから原作を読む派ですか?それとも映画を観る前に原作を読む派?それとも原作は読まない?気に入っている小説の映画は観ないという方もいるのでは。
図書館には山ほどの原作本があります。映画になった作品には、それだけの人を惹きつける面白さや魅力があるはずです。ぜひとも原作を読んでみてください。

『忍ぶ川』

『忍ぶ川』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)

三浦哲郎/著 新潮社 1961 新潮文庫1965

兄や姉を次々に失い、鬱々と日を過ごしていた大学生の“私”が、料亭で働く、廓の射的屋の娘として育ったひとりの女性と出会い、魅かれていきます。二人はお互いの過去を相手に語り、そのことによって今まで受け入れることができなかった不幸な過去を宿命として受け入れることができ、新しい生を生きていきます。1961年第44回芥川賞を受賞、1972年に熊井啓監督によって映画化されました。モノクロにこだわったという映画は、情景も二人のセリフも忠実に小説を映像化していて、先に映画を観てしまった私には、物語が加藤剛と栗原小巻の声となって聞こえてきてしまいました…。この映画を、図書館まつりの一環で、9月7日(日曜日)に「なつかし名画トクトク祭り」で上映します。原作を収めた本には、「忍ぶ川」の続編となる「初夜」や「帰郷」も入っていますので、映画を観た後にもぜひ読んでみてください。

『阪急電車』

電車のなかで隣の座席に座ったのは、いつも行く図書館でよく見かけるあの人だった…。西宮市と宝塚市を結ぶ阪急電鉄の支線を舞台にした小説で、一駅ごとにさまざまなドラマが。同じ電車に乗り合わせた乗客の人生がちょっとずつ交差します。映画には“片道15分の奇跡”という副題がついていますがまさにその通り。もう2往復くらいしてほしいと思うような、読み終わるのがおしいような、トキメキや感動を与えてくれる1冊です。

『ジャッキー・ロビンソン~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』

4月15日、メジャーリーグでは、さまざまな選手が「背番号42」を背負って試合に出場します。それはこの本の主人公ジャッキー・ロビンソンを称えてのことです。現在ではあたりまえのこととして黒人選手が活躍していますが、まだレストランでもバスでもどこでも黒人が差別されていた頃、彼は黒人で初めてメジャーリーグの選手となりました。さまざまな差別と闘いながら真摯に野球に取り組み、成績を上げ、周りの人たちを変えていきました。ドジャースの経営者リッキーも共に闘いました。この本は昨年公開された映画「42~世界を変えた男」の原作ではありませんが、児童書として出版されていますので、子どもたちにもぜひ読んでみてほしいと思います。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。