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よむとす No.86 他人(ひと)の本棚が気になる 2014年08月01日

[2017年6月8日]

ID:152

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他人(ひと)の本棚が気になる

中央図書館 鈴川小野花

旅先の待合室、お店のカウンター横、あがらせて頂いた人様のお家。本の背表紙が並んでいると、どんな品揃えなのか気になって仕方がないという経験、本好きの方なら覚えはありませんか?
本棚は持ち主の嗜好と思考の鏡。今どきSNSで書かれる日記は読まれること前提なので、例えるのは古いかもしれませんが、無防備な自分の本棚を見られるのは、秘密の日記を覗かれたような恥ずかしさ満点。でも、他人の本棚は…見たいですよね?

『乙女の読書道』

作家池澤夏樹さんの御嬢さんによる読書案内。日本SF作家クラブの会員さんだけあって、紹介されているものは海外のSFとファンタジーが多めで、作家さんのチョイスも私の好きな人がたくさんなのが嬉しかったです。表紙の本棚に写っている本も馴染みのある文庫が沢山で、この本棚が目の前に会ったら、一日中幸せな気持ちになれそうです。SFというと敷居の高い方もいるかもしれませんが、春菜さんの紹介はどれも面白そうだし(面白いし)、この機会にチャレンジしてみませんか?図書館にない本もあるのが残念ですが、その時は是非リクエストしてください。巻末には電子図書を使った感想もあります。紙の本が大好きで、電子図書はどうかなと気になっている方は参考までに。お父さんとの対談もあります。

『本棚〔1〕』

作家・イラストレーター・漫画家・書評家など、さまざまな人の本棚(と本人)を覗きに行ってインタビューしたのがこちらの本。本人つきの写真の中に、自分の知っている背表紙を見つけると、その人にぐっと親近感がわきます。〔1〕では角田光代さん、みうらじゅんさん、桜庭一樹さん等、多彩な顔ぶれがうれしいです。中でも、中島らもさんのインタビューは、本の製作時には本人は鬼籍の人、話し手は奥さんの中島美代子さんでしたが、らもさんを語る奥さんの温かい言葉に心がほっこりします。〔2〕(別ウインドウで開く)には有栖川有栖さん、安西水丸さん、神林長平さん等、こちらも見逃せません。姉妹本で『机』(別ウインドウで開く)編もあります。

『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』

本棚とは少し路線がずれますが、最近読んでどうしても付け加えたくなった一冊です。「本」の「紙」そのものを作る人たちの物語。東日本大震災での工場全被災から、半年での再稼働を目指した石巻工場のドキュメンタリーです。被災当時の写真も生々しく、また、中には美談だけでは済まされなかった震災地のリアルな描写もありますが、日本の出版文化を支えてきた職人と、モンスターマシンの奮闘、再生を決断した会社、支えた地域の応援に胸が熱くなります。いつも何気なくめくっていた本のページですが、こんなにも沢山の人たちの想いと誇りが詰まっていいたのだと、読書後はそっと紙に触れてみたくなりました。紙の本の市場は縮小傾向にあると言われていますが、日本の素晴らしい紙文化を絶やさないためにも、これからも本をたくさん買いたいです。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。