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よむとす No.89 知っていますか!?飯田のすごい人 2014年09月15日

[2017年6月8日]

ID:133

知っていますか!?飯田のすごい人

中央図書館 田中 瑞絵

今年度の「第14回図書館まつり 特別資料展」(9/27(土曜日)~10/5(日曜日)開催)は、地元飯田では意外と知られていない“すごい人”にスポットを当て「発掘!郷土のすごい人~飯田から全国へ そして世界へ~」の展示を行います。飯田出身の“すごい人”はたくさんいますが、今回はその中から、後藤三右衛門・代田稔・北一明の3名をとりあげます。知っている!という方も、知らなかった!という方も、是非おでかけください。他にも「こんなすごい人を知っている!」という情報もお待ちしております。
今回は、この3名に関する本を紹介します。

『夢空幻 金座御金改役・後藤三衛門の生涯』

後藤三右衛門は、江戸時代後期の商人で、文政・天保改鋳の際、金座御金改役を務めた人物です。『金座』とは、今で言う造幣局や日本銀行の役割をもっていた所で、そこの最高責任者という感じになるでしょうか。
飯田の商家に生まれ、20歳の時金座・後藤家の婿養子となり跡を継ぎました。水野忠邦による天保改革期には、鳥居耀蔵・渋川敬直と共に『水野の三羽烏』といわれ、当時の日本の経済界の中心として活躍しました。また、郷里への思いも熱く、実家への援助はもちろんのこと、金座にも多くの飯田出身者を雇ったり、文政の大火の際には多額の見舞金を送るなどの貢献をしました。
この作品は、その波乱に満ちた生涯を描いた歴史小説で、直木賞の候補作ともなった作品です。若干20歳にして金座という責任の重い仕事に就き、持ち前の才知と気概で幕府の財政の中心へとのぼりつめる姿、そして、壮絶な最期…。歴史書を読むのはちょっと難しいかなと思われる方にも、後藤三右衛門の生涯を知っていただけることと思います。

『元気がいちばん!ミクロの世界から人びとの健康をつくりだした代田稔』

『ヤクルト』といえば、誰もが耳にした事のある商品名ではないでしょうか。このヤクルトの『乳酸菌・シロタ株』を開発したのが、飯田出身の代田稔です。現在では『予防医学』という言葉も一般的になり、こういった分野の本は図書館でも人気のある本の1つとなっていますし、人の腸内で健康に役立つ乳酸菌が存在する事も広く知られていて、さまざまな製品となって売られています。しかし、代田稔が研究を始めた頃は、まだまだ未知の領域でした。病気にかかる前になんとか予防する方法はないかと研究を重ね、この乳酸菌を発見し、子どもでも飲みやすく、ハガキ一枚程度の値段で買えるようにと、研究、開発し、普及に力を注ぎました。この『ヤクルト』は、今や日本だけでなく世界の国々にも普及しています。
「人々の健康を、とりわけ、子ども達の健康を守りたい。」との熱い想いを胸に、幾多の困難を乗り越え、その生涯を捧げた代田稔の一生を描く一冊です。

『炎の造形 焼きもの新入門』『北一明創造美の世界』

『炎の造形 焼きもの新入門』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)

北 一明/著 山海堂 1985.4

『北一明創造美の世界』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)

池田20世紀美術館 1980

北一明は、飯田に生まれ、大学卒業後工芸評論家として後進の指導に当たっていましたが、従来の焼きものに関する定理や原点に疑問を抱き、独学で焼きものの技法を習得すると、焼きものを通じて新しい思想表現を試みました。特に「反戦反核」の思想表現として、アウシュビッツ強制収容所の跡地の土や、広島・長崎の被爆焼土を練り込んだデスマスクなどの作品を発表しました。海外でも展覧会を開くなど、世界でもその活動が知られるようになった北一明の作品は、日本のみならず海外の美術館や博物館にも収蔵されています。紹介の2冊には、その代表的な物が収録されており、北一明の創造美の世界を見る事ができます。
中央図書館にも、平成3年に南京大虐殺の地の土を練り込んだデスマスクを寄贈していただいており、今回の資料展ではこのデスマスクも展示されます。ぜひ、ご覧ください。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。