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よむとす No.40 「考えない」を考えた本 2012年09月10日

[2017年6月8日]

ID:97

「考えない」を考えた本

中央図書館 中村 糸江

読書をする人は考えることが大好きだと思いますが、時には考えないことを考えてみませんか。

『考えない人』

『考えない人』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)

宮沢章夫/著 2010年 新潮社

劇作家、演出家、作家である著者によると「考えない」はきわめて崇高な積極的態度であり、意思を持って考えないのであり、「なにも考えずに考えない」は、そしりを受けてでも到達しなければならない、らしい。
人はなぜ大仏を見ると、思わず「でかいな」と声に出すのか。なぜ入院見舞いにウクレレを持参するのか。なぜ選挙の投票所で投票所入場券のかわりに「電話料金を請求するはがき」を出してしまうのか。――それは「なにも考えていない」からである。
「考えない」30篇のほか、ぎりぎりの人が思わず口にする言葉を考察した「がけっぷちからの言葉」など、いくつかの雑誌の連載をまとめた脱力エッセイ集。

『考えない練習』

『考えない練習』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)

小池龍之介/著 2010年 小学館

人気僧侶である著者の、ベストセラーになった、余計な考えを休める「休脳のススメ」。サブタイトルは「頭で考えずに、もっと五感を使おう。すると、イライラや不安が消えていく」。目・耳・鼻・舌・身の五感に集中しながら暮す練習や、思考を自由に操る方法が紹介されている。
頭の中にやってくる思考ひとつひとつを見つめ、《「○○」…と思っている》とカッコでくくってしまい、自分の感情を観察し、突き放す。そして「私が安らかでありますように」と慈悲の念を保ち続け、脳にムダな言語的な思考をする暇を与えない。
たとえば痩せたいと考えれば考えるほど、食事のことを考えるようになる。ここで五感、味わうに集中し、足るを知ると、自然と食べる量が減ってきて、痩せるらしい。考えない食べ方レッスン前編、後編が紹介されている。…お箸を使って口に何かを入れたら、お箸もいったん下に置いてください。《エッ、お箸を置いちゃうの?…と思っている》《何も考えずにガツガツ食べたい…と思っている》
脳研究者・池谷裕二との対談も収録されている。