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よむとす No.143 賢者の贈り物―大切な人に贈りたい本― 2016年12月15日

[2017年6月8日]

ID:90

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賢者の贈り物―大切な人に贈りたい本―

中央図書館 今村 洋子

年末年始、誰かに贈り物をする季節になりました。
O・ヘンリーの『賢者の贈り物』は、クリスマスプレゼントを贈り合うために、それぞれ自分の一番大切なものを売り、相手の一番好きなものを買う御夫婦のお話ですが、いつの時代でも心のこもった贈り物は嬉しいものですね。
そんなわけで今回は、私が大切な人に贈りたい本を3冊選びました。ぜひ読んでみてください。

『アルケミスト』

『アルケミスト』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)

パウロ・コエーリョ/著 山川絋矢・山川亜希子/訳 地湧社 1994年

ブラジル人作家、パウロ・コエーリョによるベストセラー。
「あなたがここに来れば、隠れた宝物を発見できるよ」という夢の中にでてきた少年の言葉を信じて旅をした少年、サンチャゴの物語です。
「おまえが何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ」という、物語のキーマンとなる老人の言葉が印象的です。
多くの芸能人にも支持されている本です。ちなみに、積水ハウスのCMソングを歌っている「アルケミスト」というユニットの名前の由来はこの物語からきているようです。
夢を信じて前向きに歩み続けることの大切さを教えてくれる本。大人も青少年も楽しめます。
なお、見えないものを信じることの大切さを教えてくれる本には、『サンタクロースっているんでしょうか』(別ウインドウで開く)(フランシス・P・チャーチ/著 偕成社)があります。こちらもお薦めです。

『旅をする木』

アラスカで生きた写真家、星野道夫のエッセイ集。うち、一部は福音館書店の『母の友』に掲載されたものを加筆してあります。
アラスカの大自然の厳しさと美しさ、エスキモー、ネイティブアメリカン、ブッシュパイロットなどとの交友の様子が書かれています。
表題の「旅をする木」は、この本に掲載されているエッセイの一つ。
川沿いの森に根付いたトウヒ(エゾマツの変種)のタネ。やがてそれは大木になり、川に流されて旅をして、ベーリング海へと運ばれてついにはツンドラの海岸へたどり着く…。
旅をする木とはトウヒのこと。星野は「あとがき」のなかで「きっとあの一本のトウヒの木のように、誰もがそれぞれ一生の中で旅をしているのでしょう」と書いていますが、旅をする木(トウヒ)に自分の人生を重ねているのかもしれません。
ところで読書の素晴らしさはその場に居ながらにして想像力で世界中を旅行できること。カヤックで旅をしながら、氷河のきしむ太古の音に耳をすませたり、セスナに乗って北極圏を移動するカリブーの大群を見たり、夜空に舞うオーロラを眺めたり…。星野の感性を通して、壮大なアラスカの大自然を楽しめます。
大自然の営みを思う時、俗世間の小さな悩みがばからしく思えてきます。大好きな人にぜひ贈りたい一冊です。
なお、飯田市立図書館には、『星野道夫著作集1~5』(新潮社)をはじめ、星野道夫の数々の写真集を所蔵しています。

『美しい子ども 新潮クレスト・ブックス短編小説ベスト・コレクション』

新潮クレスト・ブックス創刊15周年を記念したアンソロジー。
2013年にノーベル文学賞を受賞したアリス・マンローや、2000年にピュリツアー賞を受賞したジュンパ・ラヒリ、そしてベストセラー『朗読者』の著者ベルンハルト・シュリンクなど、現代文学の最高峰ともいえる作者11人の作品を集めた、夢のような短編集です。
ひとつひとつが独自の輝きと美しさをもつ宝石のような作品が詰まったこの本は、まるで宝石箱のようです。手に取るだけで心が震えます。
死の床にあって、誘惑をはねのけて妻への愛を貫いた男の勇気(アリス・マンロー/著『女たち』)など、人生の深淵を垣間見る作品や、芸術の域に達する美しい文体の数々は、文学を愛する人々を魅了するに違いありません。
大切な人の本棚にぜひ置いて欲しい一冊です。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。