飯田の図書館には中央・鼎:YA(ヤングアダルト)上郷:T(ティーンズ)と、10代向けのコーナーがあります。子供以上、大人未満、子供と大人の間を揺れ動く思春期に読んでもらいたい本、そんな世代が主人公の本、ちょっと気楽にサブカルチャー等、大人が読んでも面白い本がたくさんありますので、お気軽にのぞいてみてください。
今回は、中高生に読んでもらいたい本から、大人の方にもおすすめの本まで取り混ぜて紹介します。
『僕は、そして僕たちはどう生きるか』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)
梨木 香歩/著 理論社
YA出版の先駆者だった理論社、長野県出身の出版社ですが、残念なことに2011年1月に民事再生法を申請、BS放送に業務譲渡し、再出発することになりました。
記念すべき第1冊目は、YAの旗手、梨木果歩の作品。引きこもりの友人、AVの被害にあってしまった少女、環境問題、ヒトラーの少年隊の光と影、良心的兵役拒否、重いテーマを美しい自然の描写の中に織り込みながら「生」を見つめようとする少年たちの1日の成長を描いた作品に、「新・理論社」の意気込みを感じます。
『鉄のしぶきがはねる』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)
まはら三桃(みと)/著 講談社
日本のものづくりを支えた町工場の高い技術。その一つが、金属を切り出す加工術、旋盤(せんばん)。従業員に技術を持ち逃げされてつぶれた町工場の孫娘の心は、ひょんなことからその腕前を認められて、高校の〈ものづくりコンテスト〉旋盤部門にエントリーすることになるのですが、もちろん周りは男ばかりの体力現場で…。
「モノづくり日本」の未来を背負って立つ若者たちの、地味に、でもマグマのように熱いひと夏の闘いに触れてみませんか?
『学問のすゝめ 現代語訳』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)
福沢諭吉/著 齊藤孝/訳 筑摩書房
「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」…は、有名なフレーズ、ここまでは知っている人も多いはず。でも、諭吉先生が言いたかったのは人類平等論ではないのです。「人は生まれついて平等である、では、なぜ格差社会ができるのか、それは勉強するかしないかだ!」その言葉に奮起して明治の若者は文明開化の大波に立ち向かったのでした。なぜ勉強しなければならないのか…悩める若者も、しなければならない理由を言わなければならない大人も、諭吉先生の熱い魂の書に触れてみてはいかがですか?
『日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)
蛇蔵/著,海野 凪子/著 幻冬舎
「日本人の知らない日本語」のコンビが贈る、外国人に「日本の文学」について聞かれたときでもとっさに答えられる漫画エッセイ。日本に生まれ、受験で避けては通れない古典なら、楽しく覚えたいですよね。漫画になってぐっと親しみやすくなった各作者達のエピソード読めば、笑いながら古典の基礎がわかるはず。これで外国人に聞かれてもさらりと返せる国際教養人に、なれる?かな?
『わたしが正義について語るなら』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)
やなせ たかし/著 ポプラ社
シリーズ「わたしが○○について語るなら」の中から「正義」について。アンパンマンの作者の思い描く「正義」とは、「おなかがすいた子供が救われる世界」。もっとも表題の「正義」についてよりも、やなせたかしがアンパンマンと出会うまでたどった数奇な半生の方がスリリングで面白いかもしれません。「通俗的なものにだって『芸術』はある」、「何かを極めたいと思ったら、それだけ知っていればいいてものじゃないよ」などのエピソード、「愛と勇気だけが友達」である訳、震災の時に流れたアンパンマンのテーマにはいろんな思いが詰め込まれていたんですね。
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