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よむとす No.128 「家」 2016年05月01日

[2017年6月8日]

ID:46

「家」

中央図書館 遠山 百合香

「家」と聞いたら何を思い浮かべますか。人が住むための建物でしょうか。そこで暮らす家族・家庭でしょうか。「家」には先祖から子孫へと代々続く家系の意味もあるそうです。
今回は「家」に関する本を紹介します。

『家族の分け前』

八つの家族をテーマにした短編集です。私は、“家族で何かを分け合うということは持ち分が減ることではなく増やすということなのです”(本文)という言葉にぐっときて、読み始めました。
社会問題になっている「鬱病」「育児放棄」「若者の就業難」などをテーマに書かれている話は、深刻な問題でこの先どうなるのかと不安になりますが、著者が物語の最後に“救いの光”“希望の光”を残すようにと書かれた話なので、どれも家族として前向きに変わっていくストーリーに安心して読むことが出来ます。これといって大きな出来事が起きるわけでもなく、日常生活がリアルに書かれ現実感のある話ばかりで、自分と重なりうなずく場面もありました。
いろいろな家族があり、それぞれが違う考えや生き方があっても、やっぱり家族はかけがえのないものであり、家族がいるからこそ今を暮せるのです。この本を読んで、自分の家族について考えてみるのもいいかもしれません。

『ファミリーヒストリー 家族史の調べ方・まとめ方』

半年ほど前、父から、ある一揆で功績の大きかった1人が親族にいると聞きました。また、親戚の伯父さんが来た時に祖父母の若いころの写真を見せて頂きました。私が生まれた時には亡くなっていたので写真でしか見たことがありません。そんなことがあり、先祖のことに少々興味を持ちました。
この本は、家族の歴史を残したい、あるいは先祖の事を知りたいと思う方にむけ、家族史の調べ方やまとめ方のノウハウを体験的・具体的に教えてくれます。
あなたはひいおじいさんの名前を知っていますか?祖父母の名前を知っている方は多いと思いますが、曽祖父曽祖母となるとなかなか知らないのではないでしょうか。著者もここからのスタートだったようです。家族史とは何かということ、家系図のこと、戸籍を取ること、人物の調べ方や名字の由来など著者の経験に基づいて書かれていますので、手順・解説だけの本ではありません。子孫や先祖への思いも伝わってきます。
みなさんも祖父母やもっと前の先祖の事を調べたり、家系図や家伝記を作ってみようと思った時には、ぜひこの本を手に取ってみてください。

『世界の不思議な家、楽しい家』

家にもいろいろあります。和風・洋風の家や広い家・狭い家。私は家というのは、日常の多くの時間を過ごす場所ですから、住みやすさを求めて建てるものだと思っていました。でも、そんなことは関係なく世界には、自分の価値観では図れないようなおもしろい家が沢山建てられているのです。
この本には、表紙のようなぐにゃぐにゃのショッピングセンターや、便器にしか見えないビル、UFO型の家など変わった家を沢山見る事ができます。ボリビアの断崖絶壁に凛と立つ家は、見るのはいいけど住むのはちょっと…。本当にこんな家に住んでいるの?家主は、いったい何を思って建てているの?など、この本はいろいろ考えながら見て楽しめます。ちなみに、私のお気に入りは、レゴを組み立てたようなビルです。
あなたならどんな家に住んでみたいですか?

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。