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よむとす No.150 ビアトリクス・ポターの世界 2017年04月01日

[2017年6月8日]

ID:40

ビアトリクス・ポターの世界

中央図書館 宮内 萌

時を超え多くの人々に愛されているピーターラビット。その生みの親、ビアトリクス・ポターはどのような人物だったのかご存じですか?それを知ればピーターラビットのシリーズがもっとおもしろく読めると思います!今回はそんなビアトリクス・ポターについての本をご紹介いたします。

『ピーターラビットの野帳(フィールドノート)』

『ピーターラビットの野帳(フィールドノート)』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)

ビアトリクス・ポター/絵
アイリーン・ジェイ,メアリー・ノーブル,アン・スチーブンソン・ホッブス/著
塩野米松/訳 福音館書店 1999年11月

ピーターラビットの絵本に出てくる動植物たちが今にも動きだしそうなくらい生き生きと描かれているのは、ポターの描く絵が学術的にとても正確に描かれているからです。それは現代の菌類学者が100年以上も前のポターの絵を、キノコを分類別にするときに参考にしたほどです。実は絵本作家になる前、ポターは自然科学者としてキノコを中心とした菌類の研究をしていました。キノコを観察してはよくスケッチをしていました。そんな、ポターの野帳(フィールドノート)をあなたも覗いてみませんか?
お手元にあなたの好きなピーターラビットのシリーズを置いておくことをおすすめします。これを読んだあと、きっとポターの描いた絵をじっくり見たくなるはずですよ!

『イギリス7つのファンタジーをめぐる旅』

ポターが生まれ育ったイギリスは、ファンタジーの国としてもよく知られています。この本ではイギリスの街並みを通してポターという人物を探っていきます。ピーターラビットの絵本に使われている背景はイギリスの湖水地方などが元となっています。ポターはいくつもの景色を組み合わせて描いていたそうなので、ピーターラビットのこのおはなしの背景とイギリスのこの風景は同じだと断定できるものは少ないのですが、似たような風景は今でもイギリスで見ることができます。ちなみに、この本に登場するのはピーターラビットだけではありません。イギリスと深い関わりのある、不思議な国のアリス、くまのプーさん、ピーター・パンなども登場します。イギリスの街並みとともにファンタジーの世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

『ビアトリクス・ポター 描き、語り、田園をいつくしんだ人』

ポターについてもう少し詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。ポターは絵本作家だけでなく、自然科学者やニューウーマンとしても活躍しました。ニューウーマンとは19世紀頃のイギリスで、上流階級の一部に現れた新しい女性像のことです。それまでの女性は「家庭の天使」と言われ結婚したら家庭に入り、家庭を守るという女性らしさが求められていました。しかし、ニューウーマンはそれとは対照的な女性像です。古い考え方や慣習を打ち破り、女性としての地位を高めようとしたのです。
ピーターラビットがどのように誕生したのか、なぜ絵本があのサイズなのか。また、ポターはいくつもの農場を買い取り、自然を守ってきました。そこまでポターが自然を愛した理由とは‥…?さらに、地衣類という新しい菌類を発見したのにもかかわらず、自然科学者としての道を絶たなければならなくなった理由、そして世界最大の自然保護団体ナショナル・トラストとの関係など絵本作家以外の顔も見ることができます。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。