上郷図書館 伊藤しのぶ
日中の気温も10度を越え、あちらこちらで花のたよりを耳にするようになりました。今年の冬は寒さが厳しかったせいか、春の訪れを心待ちにされている方も多いと思います。
そんな方々にひと足早く春を感じていただきたく今回のテーマは「桜」です。
『一本桜の里 南信州・伊那谷』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)
森田 和市/監修 おさひめ書房 2009年3月
本書によれば、南信州は気候的に南北日本の境界に位置し、サクラ野生種の分布が多数重なる全国でもまれな“桜の宝庫”だそうです。また、推定樹齢200~300年以上の古木が多く残っていることも特徴のひとつです。
春の空にうす紅色の桜の古木が、枝を広げ咲く姿は荘厳で神々しさを感じます。やはりそれは数百年もの間、じっと佇み人々を見守り続けた一本桜の古木だからこそかもしれません。
南信州の美しい一本桜の写真を眺め、春へ想いを馳せてみては、いかがでしょう。
『桜の森の満開の下』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)
坂口安吾/著 講談社文芸文庫 1989年4月
「桜」と聞いて思い浮かぶ文学作品といえば、こちらが有名です。
昔、鈴鹿峠の山道に桜の下を通らなければならない場所がありました。花の時期にそこを通る旅人たちは、どういうわけか皆、気が変になりました。その山に山賊が住みつきます。この山賊、人の命も平気で絶つような残忍な性質でありましたが、やはり桜の花の下は怖ろしく思っていました。そんな山賊が美しい女に出会います。女の頼みで山賊は、自分の女房を斬り殺します。我に返り、言い知れぬ不安に包まれた山賊は、あの満開の桜の下で感じる気持ちを思い出します。
やがて、二人は都に移り住みますが、山賊は次第に都の暮らしに退屈し、山に帰ることを女に告げます。すると、女は自分も連れて行って欲しいと哀願します。かくして、二人は山へと向かいます。折しも、山は桜の花盛りでした。眼前に、あの満開の桜の森が現れます。
果たして、二人の運命は…続きはぜひご自身でお読みください。
『電子レンジとフードプロセッサーでつくるはじめての和菓子』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)
林 幸子/著 辰巳出版 2003年
最後に「花より団子」という方にご紹介したい本です。
なんと、和菓子が自分で作れるなんて!!しかも、特別な道具や技術などなくても、家にある電子レンジやフードプロセッサーを使って、意外に簡単に。もちろん、“桜もち”の作り方も載っています。
満開の花の下で、お口の中でも春を満喫されるというのもおススメです。
「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。
飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。
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