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よむとす No.132 日本を読む? 2016年07月01日

[2017年6月8日]

ID:6

日本を読む?

中央図書館 樋本 有希

日本とは何か?このテーマの本はいつでも人気があるようです。
今回は、有名な日本論ではなく、最近のもの、経済・文学・SNSの分野で外国の方が書いた「日本」を読んでみたいと思います。

『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言』

アトキンソンさんは、外資系金融機関のアナリストとして来日して活躍した後、茶道に魅せられて京都に移住、縁あって文化財修復の会社の社長となります。この本は日本に対して、「発見」と「問い」を繰り返す中で感じた日本への率直な指摘と賛美の1冊です。印象的なのは「おもてなし」についての章。おもてなしに定評のある旅館に出かけた際、全く融通が利かずに困ったことをあげ、日本のおもてなしが世界で最高のホスピタリティとは言い切れないことに気が付かされます。他にも日本の伝統文化を守る仕組みと職人たちの待遇の改善への取り組み、文化財保護を巡るイギリスとの比較など、批判するだけではない、アトキンソンさんの「日本への思い」がエッセイのように読みやすく綴られています。

『JAPAN CLASS ホワイジャパニーズピープル!?』

『爆買い』という言葉ができるほど、日本を旅する外国人観光客が増えてきています。そんな観光客たちが参考にするのはブログやツイッターなどのSNS。この本はそんなSNSでの日本についての書き込みを集めたユニークなもの。昨年冬に出たこの号は、灯油ストーブやこたつなど冬の日本での驚きがたくさん。特に衝撃的とされている「世界で一番危険な日本食」とはいったいなんでしょうか?
でも好意的な書き込みがこれほど多いならば、きっと批判もたくさん書かれているのだろう…そう思っていたらちゃんと本の中に書いてありました。「掲載されている「日本称賛」投稿の裏側には同じだけの反対意見があるかもしれません」。反対意見バージョンを読んでみたいような…みたくないような…。

『長崎パパ』

『長崎パパ』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)

ク・ヒョソ/著 尹英淑・YY翻訳会/訳 クオン 2012年3月

『新しい韓国の文学』シリーズ(クオン)は韓国の現代文学に出会えるユニークなシリーズ。なかでもこの『長崎パパ』は日本、長崎が舞台。その街の「ネクストドア」というレストランの周辺の人々を切り取って描いています。主人公は韓国人で、在日韓国人や日本人などさまざまな背景を持つ人々が登場します。前の世代の運命が今の若者に影響を及ぼすのは、なんだか韓国ドラマ風?語り口調の文体も新鮮です。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。