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平沢文書とは

[2017年6月26日]

ID:278

平沢文書とは

飯田市下久堅北原平沢家で所蔵していた古文書群。同家は甲州平沢郷の出で、武田氏に随従して信州に入り、郷代官として当地に土着して、江戸時代には肝煎(きもいり)、庄屋となった家。戦国時代末から幕末にかけての検地帳、毎年の年貢帳など各分野の古文書約3,800点を数える。特に中世から近世への推移を解明するうえで貴重な資料である。下伊那地方の歴史研究に役立つばかりでなく、全国的にも屈指の地方文書(じかたもんじょ)として、多くの史家から注目されてきた。
 昭和43年に郷土史家平沢清人氏から飯田市立図書館へ寄贈された。平成16年3月には、県宝に指定され、現在は飯田市歴史研究所に移管されている。図書館においては、マイクロフィルムで閲覧することができる。

平沢清人氏プロフィール

(1904〜1973)
 郷土史家。下伊那郡下久堅村(現飯田市)の戦国時代以来の旧家に生まれる。飯田中学から青山師範をへて、東京府下で小学校教員をする。1935年帰郷、役場職員、ついで小学校教員にもどる。この帰郷生活時代郷土研究を始める。1955年カリエスで下半身不随となって以来、妻里子の協力で伊那谷の地方研究に専念し、『信濃』『伊那』『伊那路』など県内諸機関誌に論稿を多数発表する。その学風は、常に生の史料によって伊那谷の近世から近代の動向を検証し、わが国の歴史全体の推移を実証しているところに大きな特徴がある。
 主著として『近世農村構造の研究』『農民一揆の展開』『伊那の百姓一揆』など多数。