図書館大好き!
中央図書館 佐久間朋樹
図書館が大好きです。転職して司書になって、まだ4年目の駆け出しですが、毎日誇りを持ってこの仕事をしています。毎朝「今日も図書館で働ける!」と思うと、布団を蹴飛ばしてベッドから出られます(出られない日もありますが…)。
皆さんは、図書館の仕事って、どんなものだと想像していますか?カウンターにいて、バーコードをピッと読んで、とても楽ちんな仕事?いえいえ、結構いろいろとやってるんですよ!そこで今回は図書館のお仕事が垣間見える小説をご紹介したいと思います。
『虹いろ図書館のへびおとこ』
著者は10年間公立図書館に勤務経験のある方です。ですから図書館の仕事の描写が、図書館職員から見ると、まさに「あるある」なんです。
子どもたちから、「へびおとこ」とあだ名されている司書が登場します(理由は読んでみてください)。このへびおとこが、とても良い仕事をするんです。
いじめを受けて不登校になり、図書館へ駆け込んだ小学生の女の子に、図書館のすばらしさをそれとなく教えていきます。本を棚に返却したり、リサイクル本の処理やイベントの準備など、職場体験のように図書館の仕事を通じて、徐々に心を通わせていきます。
図書館の役割を問うストーリーを読んで、2015年に鎌倉市立中央図書館がTwitterに投稿した「もうすぐ二学期。学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。」という言葉が思い起こされました。図書館利用者の秘密を守るへびおとこの「深ーいセリフ」にもご注目ください!
『みさと町立図書館分館』
『みさと町立図書館分館』(別ウインドウで開く)高森 美由紀/著 産業編集センター 2017年10月
二冊目は、図書館といっても、より地域に密着した「分館」を舞台にしたストーリーです。
分館は、大きな図書館より比較的来館者が少ない分、利用者さんとの会話も多く、距離も縮まります。いろいろな利用者さんとの深い関わりから、困ったこともたくさん起こります。
主人公の女性職員は、利用者さんへの対応に悩みながらも、徐々に関係を構築していきます。図書館の利用者さんや同僚との関係を縦軸に、家族との関係を横軸にして、他者への寄り添い方や、自分の心の持ち方を模索しながら成長していく過程を描いています。
読んだ後、とても「ほっこり」した気持ちにさせてくれる1冊です。
番外編として、2点ご紹介!
*図書館も映画も好きな方へ
:
『図書館映画と映画文献』(別ウインドウで開く)飯島 朋子/著 日本図書刊行会 2001年8月
(いろいろな映画の中で、図書館の出てくるシーンをピックアップしています。今度は是非違う視点で映画を見てください。)
*映画(DVD貸出可)
:
『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』(別ウインドウで開く)フレデリック・ワイズマン/制作 ポニーキャニオン 2017年
(超有名!世界有数の公共図書館の舞台裏が覗けます。その規模の違いに圧倒されながらも、図書館のすばらしさを映像でお楽しみ頂けます。)
今回は、図書館をテーマにした本をご紹介いたしました。興味を持って頂いた方は、是非今度は少し違った角度から図書館を楽しんでみてください。
よむとす
「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。
飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。