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よむとす No.286 こんにちは、飯田駅前図書館です!

[2022年12月15日]

ID:960

こんにちは、飯田駅前図書館です!

中央図書館 宮内 萌

飯田駅前図書館は、2022年5月にオープンした、丘の上結いスクエアの3階にあります。高校生や若い人たちに、気軽に本に触れてもらいたいという思いで作りました。気楽に楽しめる本を多くそろえているので、ひとりではもちろん、友達や家族と一緒に来てみてください。
今回は飯田駅前図書館にある本を紹介します。

『窓から見える世界の風』

『窓から見える世界の風』(別ウインドウで開く)

福島 あずさ/著 nakaban/絵 創元社 2018年2月

「だし」、「チョコレート・ノース」と聞くと少しおいしそうな匂いがしてきそうですが、これは二つとも風の名前です。「だし」は、夏に日本海側で起こる強風のこと。漁師たちが船を“出す”のにふさわしい風だったためこう名付けられたといいます。「チョコレート・ノース」は、ジャマイカで呼ばれている冷たい北風のことです。チョコレートの原料であるカカオの木は寒さに弱いため、チョコレートの木を傷つける風という意味があるそうです。おっと、こっちは本当においしそうな匂いがしてきそう…。
この本に出てくるのは局地風(地方風)と呼ばれる風です。土地の形などに合わせて、特定の季節や気候のときに吹くのが特徴です。「だし」や「チョコレート・ノース」のように、その土地やそこに住む人々の生活に関わる名前がつけられているものが多いそうです。
目に見えない風に名前がつくことで、風が生活の一部となりさまざまな国の文化や人々の生活が鮮明に描き出されます。そして、遠い国々を身近に感じさせてくれ、旅行記やガイドブックとは一味違った景色を見ることができます。

『ちいさなちいさな王様』

『ちいさなちいさな王様』(別ウインドウで開く)

アクセル・ハッケ/作 ミヒャエル・ゾーヴァ/絵 那須田 淳、木本 栄/共訳 講談社 1996年10月

主人公の僕は退屈で少し不安な毎日を過ごしていました。そんな彼の前に現れたのは人差し指くらいのサイズのちいさな王様です。私たちの世界でははじめは小さく生まれて、いろんな知識を得ながら体とともに大きく成長していきますが、王様の世界では、はじめに一番大きく生まれます。目が覚めるとベッドの上にいて、起き上がれば文字が書けるし、計算もできます。そして小さくなるにつれ、それらのことを忘れていく代わりに遊びや空想を楽しむようになります。彼の前に現れたちいさな王様も大きな想像力にあふれています。そのため王様と出かけると道行く人についていろいろコメントをしたり、竜が人々を攻撃している!と言ったりするので、彼にとっては飽きるほど通っている道もいつもとは違う景色が広がります。
このように王様と彼はお互いの世界や考え方の違いを語り合いながら、ときには体験をしながら毎日を過ごしていきます。そして彼の考え方が、日常が、少しずつ変化していきます。
想像力は、いつも見ている景色を違う角度から見ることができ、日々の悩みや不安を少しやわらげてくれると思います。この本を読んで、想像力の楽しさや大切さを感じてもらえたらいいなと思います。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。