ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

スマートフォン表示用の情報をスキップ

よむとす No.278 同じようにみえるけど…

[2022年8月15日]

ID:941

同じようにみえるけど…

中央図書館 林 聖子


 私たちの身の回りにはパッと見て同じようにみえても、よく見るとすこし違ってみえるものごとがあります。今回紹介する本は、いったい何と同じで何が少し違っているのでしょうか。みなさんの周りでも昔と少し違って見える風景などありませんか。少しだけ身の回りに注目してみると、いろんな物事で微妙な違いを発見できるかもしれません。


『東京DEEPタイムスリップ1984↔2022』

『東京DEEPタイムスリップ1984↔2022』(別ウインドウで開く)

善本 喜一郎/著 河出書房新社 2022年


1984年の東京都のとある風景と2022年の風景が見開きで掲載されています。38年前と後の東京の様子を見て、こんなにも街並みが変わるのかととても驚きました。なかでも、1984年の新宿駅周辺にはまだ高層ビルがあまり無かったのに、今はたくさん建っています。日本は凄いスピードで経済成長を遂げたと言われていますが、改めて日本の成長スピードはすごかったんだな、と感じました。建物の様子だけでなく、その当時の人々の暮らしの様子も垣間見える本となっています。


『ことばと文化』

『ことばと文化』(別ウインドウで開く)

鈴木 孝夫/著 中央公論社 1982年


私たちが日常的に使っていることばについて書かれています。ことばには文化を先祖から子孫へ伝承していく行動や考え方が表れていると著者は言っています。
みなさんは小さな子どもと話すとき、自分のことをなんと呼んでいますか?「お父さんと遊ぼう」「お母さんとお出かけしよう」などと言う方もいると思います。誰かに教えられてこのように言っているのでしょうか。これは著者の言っている、文化をあらわしていると思われます。英語では、自分のことをI、相手はyou、としっかり人称代名詞を使って自分と相手を区切って話しています。当たり前なことですが、少し不思議に思いませんか?
普段、何気なく使っていることばでも、少し立ち止まってみると不思議なことに溢れているのかもしれません。

『聖子』

『聖子』(別ウインドウで開く)

森 まゆみ/著 亜紀書房 2021年


この本は、私と同じ名前の林聖子さんについて書かれています。自分と同姓同名、しかも漢字まで同じ方にこれまで出会ったこともなく、いったいこの林聖子さんはどんな生涯を歩んでこられたのかが気になり、手に取りました。
新宿にある文壇バーの女主人であり、あの太宰治さんとも親交があった方とこの本で知りました。それに、お父さんである林倭衛さんは上田市のご出身だそうで、それもあってか、妙な親近感と不思議な感覚を持って読みすすめました。
もしかしたら、図書館にみなさんと同姓同名の方が書かれた本があるかもしれませんよ。

 

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。