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よむとす No.121 チェックの達人 2016年01月15日

[2017年6月8日]

ID:118

チェックの達人

中央図書館 樋本有希

人は間違えます。よっぽど緻密な人でない限り、間違えます。「あ!しまった」「うっかり…」「しっかり確認したはずなのに…」。こんな言葉、つい言ってしまいます。はっきりと間違いとは言えなくても、うまく伝わらなかったり、仕上がりがいまいちだったりすることもあります。でも、できれば恥ずかしい思いをしたりするのは避けたいものですね。今回は「確かめる」をテーマに本をご紹介します。

『レシピの書き方』

『レシピの書き方』詳細情報のページはこちら(別ウインドウで開く)

レシピ校正者の会/編 実業之日本社 2010年4月

経歴30年のレシピ校正者がレシピの書き方を教えてくれる本。出版されたときは、世の中いろんな仕事があるな、と思いました。
料理のレシピ本は図書館でも家庭料理からプロの調理師さんまで非常に多く利用があります。また最近は、本ではなくインターネット上でもレシピ投稿サイトが大人気だとか。自分のご自慢を投稿したい!料理大好き!そんな方にピッタリの本です。
わかりにくいレシピのチェックから始まって、調理法別・材料別の言葉の解説まで懇切丁寧。たとえば「グツグツ煮る」と「コトコト煮る」はどう違う?「切り目」と「切れ目」は?ひたひたって?しょうゆやみその種類は?チェックリストもついて、この本を読むだけで、間違いのない、きちんと作れるレシピが書けそうです。
レシピを書かない人も、レシピの読み方がわかりますし、コラムも楽しい。料理の基本知識がたくさん学べて、料理が楽しくなりそうです。

『考証要集~秘伝!NHK時代考証資料~』

著者はNHKで時代考証を担当していたディレクター。時代考証は台本が出来上がった段階で、専門の研究者も一緒に会議をしてチェックするそうですが、この本は、会議に出すために著者があらかじめ台本を確認して作っておいた考証メモを元にしています。
さて問題!武田信玄はきなこ餅を食べたか否か?
また『考証要集』というタイトルは資料として使った『往生要集』からとったそう。何を調べるために使ったか?も読んでのおたのしみです。
併せて読みたいのが『時代劇の見方・楽しみ方』(別ウインドウで開く)(大石学/著,吉川弘文館,2013年8月)。こちらは考証会議に参加する歴史学者の視点で書かれた時代劇についての1冊です。「時代考証学」なんていう学問まであるようです。

『学生・教師・社会人のための漢字ハンドブック』(改訂版)

前の二冊とはちょっと違いますがこんな1冊も。「うっかり」で最近怖いと感じるのが漢字表記のこと。すっかりパソコンでの変換に頼り切りになって送り仮名がわからなくなることも。チェックしたつもりなのに後になって誤字脱字に気が付いてドッキリ。
この本は常用漢字、人名用漢字などの漢字表、公用文での漢字使用、現代仮名遣い、外来語の表記などを最新の法律をもとに詳しく説明しています。特に教育漢字は用例もあって一読の価値あり!漢字表にはJISコードが付いているのでパソコンで使う時にも便利です。ちょっと引き方にコツがいりますが、辞典といっしょに使いたい、デスクの上にあると助かる一冊だと思います。

よむとす

「よむとす」とは“読む“と“~せむとす”(ムトス)を合わせた造語です。

飯田市におけるムトスの精神を生かし、読むことにかかわる活動の推進と支援を目的とした読書活動推進の合言葉です。